161.まじない
161.
何者かに操られてるアシュローンを、沈静化させた。
空中にて。
「ベルさん。この竜、苦しそうだね」
「この気配……呪いです」
同行していた、嫁であり聖女であるティアが、そう診断する。
そりゃそうだ。呪いにかかってでもなければ、アシュローンが仲間を攻撃するはずがない。
「これは……とても強力な服従の呪いです。解くには、術者を殺すしかありません。それ以外の方法で、無理やり呪いを解こうとすると、アシュローンさん、そして解こうと試みた人間の命すら奪いかねません」
確かに、かなり強力のまじないがかけられてるようだ。
アシュローンの深い場所にまで、まじないが侵食している。
「問題ない」
俺はぐったりとしてるアシュローンの頭に触れる。
「べ、ベルさん? 聞いてなかったのかい? 術者を殺す以外に、呪いを解く方法はないって!」
「大丈夫。俺は……魔法の神だぜ?」
自分で言っててはずかしいが。しかし、マテオを安心させるために、あえて神を自称した。
色々あって、神の力を手に入れた今の俺には、わかる。あらゆる魔法、まじないの構造が。
魔法の構造を把握できるってことは、それの壊し方もまた、心得てるってことだ。
どこを壊せば、安全に呪いが解けるのか、俺にはわかるのだ。
「ふん!」
俺はアシュローンに自分の魔力を流し込む。
魔力撃。魔力を飛ばして敵にダメージを与える技術だ。
俺は魔力撃をつかって、まじないを壊す。
しゅぅうう……
アシュローンの耳から黒い煙が出てきた。
「呪いの気配が、き、消えました! すごいです、アベルさんっ」
よかった、アシュローン。呪いが解けてさ。
……呪いって、かけられるとすごい苦しいもんな。
だから、早く苦しみから解放してやりたかったんだ。
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