158.石の竜
俺は拉致されたミネルヴァを助けに、空へとやってきた。
降り注ぐ石の槍をくぐりぬけて……ついに、攻撃してきてるやつの元へとやってきた。
「な、なんだいありゃ! で、デカい竜だね!」
空に浮かんでいるのは、巨大な、一匹の竜だ。
ただし、体は石でできている。
石竜とでもいうべきそいつは、俺をにらみつけると……。
その大きな翼を広げて、バサッ! と羽ばたく。
俺は一瞬で気づいた。
「ピュア、避けろ。次の攻撃はバリアを突破してくる!」
「来るよ! ピュア! よけな!」
マテオにそう言われて、ピュアが急速にその場から離れる。
さっきまでピュアが居た場所を石の槍が通り過ぎていった。
「なるほど、あの槍は、石化した竜の羽だったんだね」
石竜は再度羽ばたき、槍で攻撃を仕掛けてきた。
ピュアが攻撃を避け続ける。
「バリアを突破するってなんでわかるんだい、ベルさん」
「わかるさ。だって……あの羽は、竜王のものだからな」
「竜王……ってまさか」
「ああ、あの石ドラゴンは……俺の友、アシュローンだ」




