157.新バリア
石の槍が頭上からいくつも降り注いできた。
けどピュアがそれをすべて回避してくれる。
とはいえ、ピュアもいつまでも激しい動きをしていたら疲れてしまうだろう。
てことで、だ。
「ピュア。もう避けなくて良いぞ」
『ぴゅい? どうして?』
「新しい結界を作ったからな」
ピュアを覆うように、球形の結界が張られている。
そこへ、無数の石槍が降り注ぐも、すべて弾かれる。
間髪入れずに氷の魔法の矢が降り注ぐも、それらはすべては消滅する。よしよし。
「ど、どうなってるんだい、こりゃ……?」
マテオが驚いている。
「対魔対物障壁だよ」
魔法結界、および物理物理結界を混成した、新しい結界のことだ。
「あ、アベルさん……これ、どうやって作ってるんですか? 原理がまるでわからないのですが……」
「え、そう? 二つの結界をこねこねしたらできたけど」
ピュアが時間を稼いでくれている間に、いろいろ試して、結界を作り上げたのだ。
「この短時間で新しい結界を作り出してしまうなんて……」
「はいはい、さすアベ」
ざ、ざつい……。




