153.もはやね
ピュアの背に乗り空の上へ昇っていく俺たち。
光は上へ、更に上へと伸びている。
「おいおいどこまで上にいけばいいんだよ」
「そ、そうだね……」
ん?
かたかた……とマテオが体を揺すって居るのがわかった。
ティアも同様だ。
「どうしたんだ?」
「す、すみませんアベルさん。寒くて……」
あ、そっか。
ここ超上空だ。普通に寒いはず……なのだが。
「はえ? 俺、全然寒くないんだが?」
「「ああ……」」
なんか諦めたみたいな顔になるマテオ&ティア!
え、ど、どういうこと……?
「ピュア、寒くない?」
『ぴゅい! 全然!』
竜であるからか、ピュアは寒さに耐性があるようだ。
いやでも、だ。
俺は?
俺が寒さを感じてないのっておかしくない!?
「そらベルさん、神だから」
「だから!?」
「ほら、深い海の下でも無事だったんだろ?」
「あ、そ、そっすね……」
海からかえったあと、深海には水圧というものが存在し、通常の人間はぺしゃんこになるって聞いた。
でも、俺は無事だった。アレ今回も……?
「ベルさん神だから」
「やっぱりアベルさん、遠い人に……いや、神様になってしまいましたね……」
ああ、うん。やっぱ人間じゃないのね俺……。
まあいいけどね! もうね!




