152.救出隊
ミネルヴァ救出のため、竜王国スカイ・フォシアへ向かうことになった。
メンバーは俺とティア、そしてマテオの三人。
ヒトミ達使徒に、領地を任せ、一行は空へ。
ピュアは巨大な白い竜となって俺たちの乗せる。
一度翼を羽ばたかせると、ぐんっ、と凄いスピードで上空へと飛んでいく。
「ミネルヴァちゃん、大丈夫でしょうか……」
元パーティメンバー、現嫁のティアが不安そうにつぶやく。
「ま、死んじゃい無いとは思うよ」
「マテオさん、そう思う根拠は?」
「そら、ベルさんの魔法が発動してるからね」
俺の右手の人差し指からは光の筋が伸びている。
この光の先に、ミネルヴァがいる……らしい。
「いやそもそもこの光の先にミネルヴァがいるとは限らないんじゃ……?」
「ベルさんのミネルヴァを思う気持ちが具現化した魔法なんだから、この先にいるよ、絶対にね」
そういうもんだろうか……。
「でも本当に、アベルさんってすごいですね。思うだけで新魔法を創出しちゃうなんてっ!」
「魔法神ってあだなは伊達じゃ無いってこったろ」
なんかそれ久しぶりに聞いたな……。
あんま人から神って呼ばれたくないんだが。しかし、神の魔法のおかげで、失われた娘の居場所がわかったんだから。まあ、良いかって思っておこう。




