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150.空にいる



 ミネルヴァが何者かにさらわれてしまった。

 が、誰が、どこへ連れ去ったのか、わからない状態である。


「ベルさん、あの子って確かベルさんのスキルじゃなかった? なら、自分の体に戻せるんじゃあ?」

「それだ! ふぅん!」


 戻れ、戻れええええええええええええええええい!

 ……。

 …………。

 ………………駄目だ。


「戻らねえ……くそっ!」


 ミネルヴァ。

 居るときは、嫌なやつだなって思っていた。

 でもネログーマの事件を経て、彼女の人となりを理解し、愛おしい存在となった。


 彼女がこのまま居なくなるのは、嫌だ。

 どうにかしたい。どうすれば……。


「パ……パ」

「ん? ミネルヴァ……!?」


 ミネルヴァの声が聞こえてた気がした。

 外からだ!


 俺はドアを開ける。

 そこには……ミネルヴァがいた!


 だいぶ……ちっせえけど、ミネルヴァだ!


「ああ、良かった! ミネルヴァ! 生きてたんだな!」


 安堵の息をついて、ぎゅっと、俺はミネルヴァを抱きしめる。

 アア良かった本当に……。


「ごめんなさい、パパ。これは……分体」

「分体……?」


「うん。ほら、領地を見張るために、何体か作ったじゃないですか」


 そういや、そういうもんもあったな……。


「分体を通して、本体であるワタシの意志をパパに伝えに来ました」

「そうだったのか……。ミネルヴァ、おまえ今どこにいるんだよ?」

「ピュアから聞いてなかったのです?」

「ああ。あいつ、まだ子供だから……」


 なるほど、とミネルヴァが納得したように言う。


「ワタシは今、空に浮かぶ国、スカイ・フォシアにいます」


 ……!

 そこって……確か竜王国!


「俺の元仲間がいるとこじゃねえか!」


 冒険者時代にパーティを組んでいた仲間の一人が、竜王国にいるのだ。


「今はそれだけしか……いえないです……すみません……通信……もう……でき……」


 がくん、とミネルヴァ分体がその場に崩れ落ちる。

 通信が途絶えてしまったようだ。


 だが、手がかりを得た。


「ミネルヴァは今、空にいる」

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