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149.てがかり
ミネルヴァが、いなくなった?
ピュアがものすごく焦りながら言ってる。
多分嘘じゃないんだろう。
……ミネルヴァ。
俺はすぐさま飛び出そうとしてしまう。
が、その手を掴んだのは、他でもない、マテオだ。
「落ち着けな」
「いやでも、」
「どこの誰が連れ去ったのか、あんた聞いたのかい?」
……そうだった。
何も情報がない。こんななかで焦って行動しても意味がない
無駄に時間を取られるだけだ。
「ありがとう、マテオ」
「ん。で、ピュア。どーゆーこったい?」
するとピュアが説明してくれる。
「なんかこう、グアーっと!」
「ほう」
「んでわぁー! って!」
「……ほう」
「んでもってんでもって、バビューン!」
「……オッケー」
わかった。何も、わからないってことが、わかった。
手がかりなしかよ……!




