141.感覚まひ
聖域が瘴気沼化していた。
俺は浄化魔法を使うのではなく、凍らせ、そして砕くことで消し飛ばした。
「浄化を使わなくて正解でしたよ、パパ」
ミネルヴァが説明してくれる。
「聖域の瘴気沼は非常に強力かつ、嫌らしいものでした」
「ほぅ、どういうこと?」
「神の気をすって、それを瘴気にかえる術式が組み込まれていたのです」
なんと。
つまり、俺が浄化魔法をつかったら、それが呪いに転じる可能性があったってことか。
「じゃあ、消し飛ばして正解だったんだな」
「はい! さすがパパ! すごい判断力です!」
……判断もくそもないんだけどなぁ。
精霊が忖度して沼を凍らせただけだし。
「でもベルさん、聖域どうするんだい? 水がなくなっちまったけど」
「そらまあ、こうすりゃいいだろ」
俺は手を上げる。
水神がやってせたように……。
ざあぁあああああああああああああああああああああ!
「豪雨が聖域の跡地に集中して降り注いでる!?」
「ああ。魔法で天候を操ってな」
そんなに時間もかからずに、聖域の水がいっぱいになった。
きらきら……と湖の水はエメラルド色に輝いてる。
「神気で満ちております。これなら、水神も住みやすいかと」
よしよし。
ん? マテオが驚いてるな。
「ベルさん……あんた息をするかのように、天候操ってるね……」
「ああ。それが?」
もうもはやだろ。
俺神なんだし。天候くらい操れるでしょ?(感覚麻痺)
「あんた感覚まひってるよ……はぁ……すごいけど……ほんと……はぁ……」
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