140.忖度
意図せず放った俺のつまらんしゃれのせいで、聖域の瘴気沼が凍り付いてしまった……!
「ええー……なにこれ……? まじでギャグが寒かったから……?」
教えて全知全能さん!
ミネルヴァは目を閉じて検索を開始。
「解:どうやら、精霊が空気を読んだ結果だと思われます」
「ど、どういうことでしょう……?」
「パパが言ったツマラナイしゃれが、あまりに、つまらなすぎた。結果、滑ったみたいな空気になったじゃないですか」
「そうね……」
「そのままじゃ、ただ滑っただけ、パパを不愉快にさせる。ということで、精霊たちは頑張って、瘴気沼を凍らせたみたいです」
ん?
んんぅ?
「そ、それって……俺がただ、だだ滑りしただけにならないように、精霊が忖度して、ギャグのおかげで沼を凍らせることができた、ってしたってこと?」
「ま、まあ……」
な、なにそれぇ!?
え、なに。
俺が傷つかないようにって、気を遣ってくれたの精霊たち!?
良い子!
いや、いやでも……いいから!
「そういう気遣い要らないから!」
「べ、ベルさん……良かったじゃん。ただツマラナイしゃれをいって、滑ったみたいな空気にならないで」
「結果的に、ほら、結果的に沼を凍らせることができたんでござるから!」
皆もフォローされてるぅ~。
うわーんもうやだぁ~。
「パパ。この状態なら、物理攻撃で沼を粉砕できます」
「そぉおおおおおおい!」
俺は魔法で強化してない拳で、思い切り、沼を殴りつけた。
パリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
「凍らせ、砕くことで、浄化魔法を必要とせず浄化しちまった。すごいね、ベルさん」
「ありがとう……マテオ……」
しかし……はぁ~。
まさか親父ギャグを精霊に忖度させていたなんて……。
もう絶対、ギャグなんて言わないぞ!
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