132.離脱
ネログーマへとやってきてる俺たち。
街に結界をはって、雨が入ってこないようにした。
俺たちは街の中に入る。
「な、何が起きたんだ……?」「大雨がぴたりとやんだわ……!?」「いったいどうして……?」
困惑する街の人たち。
うーん、ここは説明するべきか。いや、でも神の奇跡が起きた、的な処理の方が楽なのではないか……?
今は時間が惜しいしな。
と、その場を離れようとしたのだが……
「皆、無事か!」
「「「バーミーズ様!」」」
獣人国ネログーマの姫、バーミーズが皆の前に出て言う。
「もう大丈夫だぞ! 我らには神が……ついてる!」
「神……?」「どういうこと……?」「比喩表現じゃないか……?」
ま、まずいぃ!
ここで神=俺! と紹介したら、絶対面倒くさいことになる!
俺はバーミーズの口を後ろから塞ぐ。
「もごがぁ……!」
「ば、バーミーズ。言わなくて良いから……神の奇跡がおきて、雨がやんだってことにしとこうぜ? な」
すると……。
その場でバーミーズがガクガクとけいれんしだした。え、ええ!?
「な、なに!?」
ぱっ、と俺は手を離す。
「はひゃうぅうん♡」
は、ひゃうぅうん? ど、どういうこと……?
「ば、バーミーズ様が御発情なさっているぞ!」
ごはつじょう……?
発情?
え、あ、え、えええええ!?
「なんで!?」
「解:パパは今獣人に触れてしまいました。その影響かと」
直接触れたから、仮面だけじゃ抑制しきれなくなったってことか!?
「是:速やかなる退却が必要かと」
え?
ぱっ、とミネルヴァが俺をお姫様抱っこする!
「マテオまま! 煙幕!」
「おうさ!」
マテオが地面に何かをたたきつける。
ボシュゥウウウウウウ!
「うわなんだ!?」「煙が! ぶぺぺ!」「今一瞬発情しかけたけど……ひどい匂いのせいで正気に戻ったわ!」
煙幕を張ってる間、ミネルヴァは俺をかかえたまま空を飛ぶ。
「え、えっとあれは?」
「解:ママの作った、煙幕です。ママが出る前に用意しておいたのです」
「な、なるほど……なにゆえ煙幕?」
「獣人族は人間より遙かに鼻が良いですからね。煙幕がよくきくのです」
なるほど……。
って、マテオたちは!?
「問題ないでござるよ~!」「あたしら飛べるしね」
あ、そ、そうだった……。
天使なんだっけ、彼女ら。
「是:パパ。急に抱っこしてすみません……」
ぱっ、とミネルヴァが俺を離してくれた。
彼女の背中にも翼が生えている。
「謝る必要なんてないさ」
俺は娘の頭をなでる。
そう、どこが謝る必要あるんだ? 俺を助けてくれたんだぜ?
「サンキューな」
「えへへっ♡」
しかし……獣人の国助けるの、意外と手を焼くかもしれん。
いや、障害を魔法で解決はできるけど……解決したあとが問題だよなぁ。
すぐ女を発情させてしまうからさ……はぁ……。
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