129.雨にぬれない? 神だからね
俺は獣人国ネログーマへとやってきた。
俺の魅力で、女獣人たちをメロメロにしてしまうらしいので、仮面をかぶることにした。
……自分で言ってて、はずいな……。
で、だ。
「結構雨ふってんな……」
空を見上げると、分厚い雨雲が空を覆っている。
頭上からは雨が絶え間なく降っている。
……ふと、俺は違和感を覚えた。
「そういや……どうして俺、今の今まで、雨ふってるって……気づかなかったんだ……?」
そうだよ。
王女がいっていたじゃないか。水神による水害が起きてるって。
で、龍脈に乗ってこっちに移動してきた。
この国に到着してすぐ、大雨が降ってるって気づいてもいいものを。
俺も、そして……嫁たちも。
「ベルさん!?」
「! どうしたマテオ!」
震える声で……マテオが俺を指さす。
「べ、ベルさん……雨に濡れてない!」
「!? そ、そうか! 違和感の正体はこれだ!」
周りは大雨降っているのに、俺だけ、ぬれてないのだ!
「ふふん、知りたいですか? マスター」
どやぁああ……とミネルヴァが得意顔。
すぱんっ! とマテオが頭をはたいた。
「もったいぶってないで! なにか異常があれば報告! 共有!」
「で、でも……マスターに知識を披露したくて……」
「あんたはなに? 知識マウント取りたくて、人間になったのかい!?」
「ち、ちがいます……」
「ベルさんのことが好きだから、人間になったんだろう?」
「はい……」
「なら、変な意地悪なんてせず、知識マウントなんて取らないで、優しく旦那に教えてやりな。そんな押しつけがましく教えるんじゃなくて」
「はい……」
ミネルヴァがしおれてる。
そこまでしなくても……と思ったが、まあマテオが俺や、家族のためにあえてああいったかんじで、強い口調で叱ってるのだ。
口を挟まないでおこう。
「で? 何が起きてるんだ?」
するとミネルヴァが引っ張ること無く言う。
「マスターのところだけ、雨が降っていない。それは……神だからです」
「は、はあ……どういうこと?」
「神は天にすんでおります。だから雨に濡れない」
「まあ……そうかも」
「だからマスターも、ぬれない」
「その理屈はおかしい!」
俺は天じゃなくて地上に住んでますからっ。
「ベルさんの体からあふれ出てる、神の力で、雨に濡れるのを、防いでるってことかい?」
「まあ、平たく言えばそういうことです」
な、なるほど……。
雨が当たるのを、無自覚に魔法で(というか神の力で)防いでたってことか……。
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