表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

126/196

126.できる嫁



 獣人国ネログーマへ行くことになった。


「ベルさん、ちょっといいかい?」

「マテオ? どうした?」


 マテオが神妙な顔つきで、俺に言う。


「アタシも今回、同行していいかい?」


 マテオがついてきたい?


「別にかまわないが……どうしてだ?」

「ベルさん……獣人たちが発情しちゃうの、もう忘れたのかい?」


 あ……。

 そうだった。みんな俺にメロメロになってしまうんだった。


「興奮抑制剤もってってもいいけど、ベルさんは自分の仕事に集中しなきゃだろ? だから、アタシが手伝うよ。獣人どものお世話は、アタシに任せな」

「マテオ……!」


 なんていい女房なんだろうか。

 俺のために、裏方仕事を進んでやってくれるなんて!


「ありがとう。すごいうれしいよ。マテオはいい嫁だな」


 マテオが顔を真っ赤にした。

 そして、興奮抑制剤をがぶ飲みした!?


「え、それ……獣人用の抑制剤じゃ……?」

「はあはあ……あっぶなかった……ベルさん。理性を失って、襲いかかるところだったよ……」


「そんなに!?」

「ああ……ベルさん雄としての魅力やばすぎるから……。そこにくわえて、こんなかっこいい台詞なんて吐かれたら、もう辛抱たまらなくなるよ」

「まじっすか……」


 発言にまでも気をつけないとな……。


「ミネルヴァのあほじゃ、そういう細かいサポートはできないだろう? だからついてくよ」

「アホとはなんですか。ワタシは全知全能ミネルヴァですよ?」

「だからなんだい? ベルさんの役に立ってるのかいあんた。結構ベルさんから苦情来てるよ? 肝心なこと教えてくれないって」

「ふぐうううううううううううううう」


 不満そうなミネルヴァ。

 マテオがいれば、ミネルヴァもやるきだしてくれるだろうし。


「じゃあ、マテオ。よろしく頼む」

「おう。あと、護衛に一人くらいはほしいかね。嫁んなかから適当なやつ選んどくよ」

「頼みます……」


 ほんと、マテオは出来る嫁だ。


「マスター。全知全能ミネルヴァは? ミネルヴァも出来る嫁ですよね?」

「…………」

「マスターぁ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ミネルヴァ、遂にマテオから役立たず宣告されて草。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ