表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

125/198

125.頼りになる嫁



 獣人国ネログーマが、水神とやらのせいで、大変らしい。

 どうにかしてほしいと、王女直々に頼まれた俺は、解決に乗り出すことにしたのだった。


 まあ、困ったときはお互い様っていうかな。

 俺ものろいのせいで困っていた時期があった。誰かに助けてほしいって思っても、助けてもらえないつらさは理解してる。


 だから……俺は手が届く範囲の困ってるやつは、助けようって思う。


 で……だ。


「ネログーマってこっからどんくらいだ?」


 マテオの茶屋にて。

 全知全能ミネルヴァに尋ねる。


 ……王女に聞けばいいのだが……。


「きゃぅうん♡ 大魔道士様ぁん♡ あけてくださぁい♡ 私に子供を産ませてくださぁい♡」


 ……とまあ、あんな調子なのである。

 どうやら獣人は強い雄に惹かれる習性があるそうだ。


 そこに加えて、俺は神格を持っている。

 強すぎるゆえに、獣人たちをあんな風に、発情させてしまう……らしい。


「ネログーマは馬車で3日ほどですね

「そうか。結構離れてるな。まあ、飛んでけばもっと早く着くか」


 すると全知全能ミネルヴァさん、こんなことを言う。


「龍脈移動を利用したほうが、もっともっと早く到着できると思います」

「龍脈……ああ、なんかこの星を巡るエネルギーの流れだっけか」


「是:高位神であるマスターは龍脈に乗って移動できます。ネログーマへもひとっ飛びです」

「お、おう……いつから高位神に……?」


天導てんどうを味方につけ、信徒が増えてからですね」

「そすか……」


 まあ、何にせよやることは定まった。

 

「で……どうしよう。外の連中……」


 みんな発情してて、まともに相手できそうにないんだが。

 すると……。


「アタシがなんとかしてみるよ」

「マテオ!」


 店の奥から、薬瓶を持ったマテオが現れた。


「動物の興奮を抑える、抑制剤を作ってみた。これで多少ましになると思う」

「おお! さんきゅー! やっぱり頼りになるなぁマテオは!」

「ふふ……よしてくれよベルさん……♡ むらむらしちゃうじゃないか♡」


 ぺろ……とマテオが妖艶に、自分の唇をなめる。

 や、やばいやばい……俺のそういう小さな所作でさえ、女を魅了しちゃうんだった……。


 マテオが外の連中を、沈めにいってる間、ミネルヴァが俺の足を蹴ってきた。


「なんだよ?」

全知全能ミネルヴァは頼りになるなぁ、SAY?」

「はぁ……?」


 なんだこいつ……?

 ぷくっとおもちみたいに、全知全能ミネルヴァが頬を膨らませる。


「治療終えたよ~」


 とマテオが帰ってくる。

 後ろから、バーミーズたちが入ってきた。


「とんだご無礼を……」

「いやいや」


 しかしすっかり発情が直ってる。

 うーん、やっぱりマテオの薬すげえ。


全知全能ミネルヴァのほうが、すごいのに……」


 なんだ、こいつ……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★茨木野の新連載です★



↓タイトル押すと読めます↓



『【連載版】追放聖女はキャンピングカーで気ままに異世界を旅する』

― 新着の感想 ―
[一言] >「全知全能ミネルヴァのほうが、すごいのに……」 そういうことはマテオを見習って、もっとアベルに親身になって対応してから言え。 しょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーもない自己満足やいた…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ