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118.嫁天使マジチート



 嫁が天使になって、天導の悪い連中を、コテンパンにしてきたらしい(事後)。


「ま、まじなん?」


 嫁たちを見回す。


 薬師マテオ。

 弟子ティア。

 サムライのヒトミ。

 エルフのゼーレン。

 姫騎士のワイズマン……。


 ここに森呪術師ドルイドドゥーエを加えた六人が、俺の嫁だ。


「ぴゅい! ぴゅあも、皆と一緒にわるいやつ、こらしめてきたのねっ!」

「ピュア!」


 最近みないなぁ、って思っていたら!

 嫁達とそんなことしていたらしい。


「いや、でも……まじで? 天使って結構強いらしいぞ」


 俺は普通に余裕で倒せたけども。


「はいっ! アベルさんに天使にしてもらい、わたしたちの力は、何百倍にも増幅されたので!」


 ええ、まじなの……?

 魔力量は、前より増えてる気がするが。

 しかし実際戦ってるところ見たわけじゃないからなぁ。


「そんなマスターのために、ミネルヴァさんが、戦闘データを記憶しておきました」

「できる……!」


 ぽん、とミネルヴァが本の形に変わる。

 そして、ページが光り、空中に映像が流れる。


「これは……?」

『北にある天導の大聖堂に、嫁六人+神聖輝光竜ピュアホワイト・ドラゴンが攻め入ったときの映像です』


 ティアを含め、彼女らの背中には翼が生えている。

 ティアが杖を掲げる。


天裂迅雷剣ディバイン・セイバー!』


 ズガァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!


 極大魔法を、いきなり無詠唱でぶっ放したのだ。


「ちょ……え、まじか……極大魔法使えるようになってんじゃん」


 極大魔法は、古竜とたたかうときに必須魔法だ。

 が、こないだミネルヴァさんが教えてくれたのだが、どうやら極大魔法は凄い魔法だったらしい。


 ティア達はもちろんつかえなかった。

 が……。


煉獄業火球ノヴァ・ストライク!』

絶対零度棺セルシウス・コフィン!』

颶風真空刃ゲイル・スライサー!』

冥府魔道葬送ヘルヘイム・レクイエム!』


 ……と。

 嫁らは、極大魔法をまるでバーゲンセールのように使っていた!


 ワイズマンやヒトミは、魔法職じゃなかったのに!


「ど、どうなってるの……?」

『神パワーのおかげです』


 つまり……俺のおかげで、魔法職じゃないやつらも、極大魔法が使えるようになってるってことか……。


『魔法神アベールの加護をうけたことで、全員の魔法力が超上昇してるのです』


「いつ加護なんて授けたよ……」


 すると全員が、ぽっ……と顔をあからめながら、自分の腹をさすっている。

 え、か、加護って……え? それ……!?


 まじかぁ。

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