116.神の魅力
嫁たちに吸い取られました……(意味深)
「なんだったんだ、さっきのは……」
マテオの家にて。
嫁が全員ノックダウンしてる。
嫁たちは、俺に襲ってきたのだ。
今までも結構ガツガツきてたけど、今日は特段すごかった……。
「まあ全員ノックアウトしてやったんだがな、どやぁ……」
「ミネルヴァさん何言ってるんすか……?」
全裸の美少女、全知全能ことミネルヴァさんが、無表情のままいう。
「服を着なさい」
「ご命令とあらば」
「命令て。見られてやじゃないの?」
「もちろん。むしろ嬉しいです」
すすす、とミネルヴァが俺の隣にやってくる。
全裸で仰向けにねてるティアを、蹴飛ばして、俺の隣にぴったりと座る。
「服を着なさい」
「マスターがスキルで作ってください」
……なんだかな。
こいつ、前は無表情、無感動キャラだったのだが。
今ではこうして、人間らしい? 部分を見せてくる。
甘えてくるっていうか。
で、服か。
まあ、スキルの練習だと思ってやってみるか。
「ほい」
ぽんっ。
ミネルヴァに、かわいらしいワンピースが装着される。
「神デザインのワンピースですね。家宝にします」
「せんでいい」
「私が消滅するまで、ずっと身に付けておりますね」
「愛が重い……!」
ほんっと、この子変わったよ。
「で、女どもがいつも以上に発情していた理由でしたね」
「言い方よ……」
「マスターが、雄としてのランクがあがったからだと推察します」
「……は?」
意味わからん……。
雄としての……え、なに?
「動物をイメージしてください。メスは強い雄に引かれるものですよね」
「そりゃ……まあ」
ライオンとかそうだしな。
「それと同じです。マスターは神となり、さらに神としての格もあがりました。もはや地上で、マスター以上に強く魅力的な雄は居ない。それゆえ、メスどもは強くマスターを欲したのです。もの凄く強い、雄の遺伝子を、後世に残すために」
……す、すごい。
説明されたけど、一ミリも理解できないぞ!
「ようは、マスターが今まで以上のいい男となって、女は今まで以上にめろっめろになったのです」
「俗な言い方だが……まあ、わかったよ」
理解できたかはさておきだけど。
「マスター。これからはむやみに女性と話してはいけない、と進言いたします」
「なんでだよ」
「マスターが話すだけで、相手をメロメロにしてしまうからです」
「なんでだよ!?」
意味わからんぞ!
「神の魅力が、それだけあるってことです」
ううううん?
そうかなぁ……。
「単なる学のないおっさんでしかないんだけど、俺」
「…………」
「無言やめて!」
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