112.神の山
「山の名前をつけないとですね」
水精霊たちの住む土地を、開拓してる俺。
俺の魔法で、木々を作るつもりが山を作ってしまった。
そしたら、ミネルヴァがそんなことを言ってきたのだ。
「名前……」
名前も、気をつけないといけない。
「どうしたのですか、マスター?」
「いや……ほら、名前つけると進化するんだろ?」
水妖精が水精霊になったようにな。
ミネルヴァが、どさっ、とその場に崩れ落ちた。
「ど、どうした?」
「ま、マスターが……が、学習を……してる……」
「ひどくね!?」
この子俺のこと何だと思ってるの!?
「解:ぱー」
「ぱーってなんだよ、ぱーって」
「偉大なる神という意味です」
「へえ、そうなんだ」
知らなかったぁ……。
さすが全知全能は、物知りだな。全知全能が言うんだから、ぱーは偉大なる神という意味なんだろう。
「学……」
「学?」
「いえ、では山に名前をつけましょう」
「うーん……でもさぁ、俺がやるとまたとんでもないことがおきるんだろ?」
「はい、100%」
ほらぁ……!
「じゃあ名前つけたくないんだけど……自分のせいで、変な被害がでるかもだし……」
山しかり、オアシスしかり。
「では、私がつけましょうか?」
「お! いいじゃん、そうしてくれ」
俺が名前をつけないんだ、進化してとんでもないことに!
みたいな展開にはならんだろう。よしよし。
「では……【アベール山脈】」
「だ、ださい……!」
俺の名前を山につけやがった……。
普通にださい。
「ま、まあいいか……これで何も起きない……」
と、そのときだ。
バサバサバサバサ……!!!!!!
「な、なんだあ? 山のほうから、鳥が!」
うきき~~~~~~~!
ほうほうほうほうほう!
ひひひぃいいいいん!
ぶるるるるるるるうううう!
なんか大量の獣の声が山のほうから聞こえるんですが!?
「おめでとうございます、アベール山脈に、大量の獣が発生しました」
「ふぁ!?」
大量の……け、獣ぉ!?
「どういうこと!?」
「山に命が生まれた、ということです」
「いやだからどういう理屈で!?」
「神の名前を、山に着けたのです。こうなりますよ」
え? 神が直接名前をつけてなくても、神の名前をつけるだけで、こんなふうに進化するの!?
「イッコジーさんのとき、そうだったじゃないですか」
「! そうだ、Dを道具に刻んだら、進化してた!」
「是:つまり、神が名前をつけても、神の名前をつけても、進化するのです」
まじかぁああああああああ!
またやっちまったぁああああ!
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