109.龍脈サーフィン
嫁を全員天使にしたら、なんか俺もつよくなった。
当然と言えば当然だが、ミネルヴァのまた、つよくなった……らしい。
「兄貴~。問題はっせいっすよぉう」
門番の、モンバ・シューエイが、俺のいるマテオの茶屋へとやってきた。
参拝場所、兼、お悩み相談所と化してるなここ……。
「どうした?」
「水妖精さんと、天導の人たちの住むとこがないんすよぉ~」
あー……そっか。
人……増えたもんな。こないだの大聖堂の一件で。
デッドエンド領は、奈落の森、櫛形山、といった魔物危険地帯に挟まれており、人の住める場所がほぼないのだ。
その状態で、信者が(※領民)増えた結果、住むところがなくなったと。
「OK。じゃあ、住めるとこ作るよ」
領主となってしまった以上、そこで暮らす人たちの生活を、守ってやるのが俺の仕事だ。
「あざっす!」
ということで、俺は新しい人らが住める場所を確保することになった。
「ミネルヴァ。どこか、良い場所ないかな?」
「解:櫛形山の山向こうに、手つかずの荒れ地があります。そこを耕すのが良いかと思われます」
ほぉ。
山向こうか。たしかにいったことなかったな。
「じゃ、行くか」
ぶんっ!
………………はい?
気づけば、俺は一瞬で、知らない場所にいた。
え、え、え?
「なにここ……?」
目の前には荒れ地が広がっている。
振り返ると……。
「櫛形山だ! え、つまり……ここって……」
ぶん! と俺の体から、ミネルヴァが出てくる。
「ここが先ほど言った土地です」
「は、はあ……え? どうやって俺ここにきたの?」
自分でやったらしいけど、自分で何をしたのかわからない。
「解:龍脈にのって、領地内を一瞬で移動したのです」
「龍脈……」
そういえば、俺はこの土地の龍脈に接続して、力を得るようになったんだった。
「龍脈接続により、自然エネルギーを補給できるようになったことに加え、デッドエンド内に限りますが、龍脈をつたって移動が可能となりました」
「……転移?」
「訂正:近い力ではあります。転移は行ったことがある場所にしかいけません。が、今のマスターでしたら、デッドエンド内であれば、行ったことない場所へと行けます」
そ、そう……なんだ。
また知らない俺の機能が、増えてるんだが……。
え、普通に恐いんですけど……。
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