105.翼、デビュー
サラディアス大聖堂での出来事を終えた……。
俺は、地方創生スキルで、転移門を作成する。
大聖堂の前にて。
「神よ、これは一体なんなのです?」
「これは、転移門だ。これをくぐれば、俺の領地、デッドエンドへ行ける」
「! つまり、神の住む世界……天界ですね!」
「は……? なにそれ、天界って……?」
するとミネルヴァが答える。
「解:天界とは、我々とは別の次元に存在する、神々のいる世界」
「神の世界って……まじか。ンなもん、ほんとにあるのか?」
「是:全知全能、嘘つかないです」
「嘘はつかないが、隠し事はするよね君……」
「マスターを愛してるが故にです」
「ああ、そう……」
愛してるなら普通に接してくれませんかね……っと。
しかし、天界……神々か……。
「俺の他にも神っているんだな」
「是:神は無数に存在します。創造神ノアール、聖女神キリエ、薬神リーフ。魔具女神セイファート……等々」
ふーん……色んな女神だったり、神だったりいるんだな。
「あれ、でも俺あったことないぞ?」
「解:天へ昇った神は基本、地上への直接干渉を禁じられます」
つまり、地上に神は居ないってことか……。
ん?
「魔神は?」
封神の塔にいた、魔神はどうなんだろうか。
あれも神のようなきがするんだが。
「解:魔神とは、地上にて受肉した、神の化身。本来ならば、神のルールから外れた、外道成る存在」
ハアー……なるほど。
肉体を得た神ってことか。でも直接干渉だめっていうルールがあるから、外道扱い……って、あれぇ?
「俺は?」
俺も一応、分類学上、神になるのでは?
バリバリ直接干渉してるんだが?
いいんだろうかこれ……?
「…………」
「ミネルヴァさん?」
「さ、帰りましょう」
「おいいいいいいい」
え、大丈夫なの……?
ねえ、大丈夫なの!? 大丈夫じゃないの!?
どっちなんだ!?
「神の領地か~、たのしみでやんすぅ~!」
ドラが真っ先に転移門をくぐる。
そこへ、次々と信者達が続く。
「さて俺も……」
「マスター、演出はどうしましょうか?」
「はぁ? 演出ってなんだよ……?」
「せっかく翼を手に入れたのですから、見せつけていくべきかと」
「え、やだよ……恥ずかしい……」
つーかさ、こんなおっさんがさ、背中から白い翼生やしてたらどうおもうよ?
痛すぎ! って思われちゃうでしょうがっ。
だから、黙っとく。
「もったいない」
「何がだよ……」
「翼というわかりやすい、神の証を手に入れたのですから、もっと積極的に使っていかないと」
「使いません」
目立ちたくないので。
俺は転移門をくぐる……が。
「え? どわぁ!」
転移門が、空中にあった!
落ちる……!
と思ったのだが、落下が直ぐにとまった。
あれ……? まだ、飛行魔法使ってないが……。
「あ、兄貴! 兄貴っすよあれぇ!」
地上には、門番のモンバ・シューエイがいた。
空中……つまり、俺を指さしながら言う。
「つ、翼っす! 兄貴に翼が! 生えてるっすぅう!」
は?
俺は背後を振り返る。
たしかに生えてた!
なんで!?
『解:翼はどうやら、自動で展開されるみたいですね』
「やだもぉお……はずかしぃ……」
ミョーコゥの連中が、俺を見上げて……
「神だ!」
「天の翼が生えてる!」
「かっこいいい!」
「魔法神さまぁ……!」
あーあーもぉ……。
皆にバッチリ見られちゃってるよ……はぁ……。