104.つばさ
俺は大聖堂を地上へと持ち上げた。
その後、地脈(専門用語で、【龍脈】というらしい)を大聖堂と接続した。
「地上だ!」
「久方ぶりの地上!」
「ああ……! あれが太陽なのですね!」
大聖堂で生まれ育った人間達は、太陽を見て感動していた。
まあ良かったねっと……。
「じゃあここの守護は任せるから……って、何してるの君ら?」
人間、そして水妖精たちが、俺の前で跪いていた。
え、なになに?
「さすがなのです、我らが神!」
「いやぁ、はんぱねーでやんす! 神!」
レンもドラも俺の前でひざまづいて……え、なに?
「美しい翼でやんす!」
「………………はひ?」
翼?
つばさって……え、鳥の?
え、なんで翼なんて単語が出てくるんだ……?
「解:後ろの映像を、脳内に投影します」
「ミネルヴァそんなこともできるの?」
「是:全知全能ですから」
理屈はわからんが、とにかくできるようだ。
自分を俯瞰した姿が、脳内に再生される。
「なんっっっっっじゃこりゃあああああああああああああ!」
俺の背中から、一対の白い翼が生えていたのである!
「え。えええ!? なぁにこれぇ?」
「天の翼では」
「天……天使ってこと?」
「否:天とは天界の民、つまりは、神をさします」
「えええ……」
え、なに?
俺ついに……翼まで生えちゃったわけ?
「名実ともに、神になりましたね、マスター神」
「やめてダサいからその呼び方っ」
て、てゆーか……なんで翼?
「解:マスターはサラディアス大聖堂にあった、神の力を受け継ぎました」
「元々この建物のなかにあったってやつ?」
「是:マスターが龍脈に大聖堂を接続した結果、神の力がマスターに譲渡されたのです。調整者=所有者となる仕組みだそうで」
「OH……」
つまり、なんだ。
俺は神の力をうけついだ。その結果が……この姿だっていいたいのか?
「神にふさわしいお姿です」
「すごいでやんす! 誰が見ても、神とわかる、美しい翼でやんすー!」
えええ……まじでこれ、いらないんですけどぉ。
「アベール神をたたえましょう、みなさん」
「「「アベール様ばんざーい!」」」
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