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102.海を割る神


 で、だ。


「ここの代表ってどこにいるんだ?」


 すると……。


「私です、神さま」

「え? レン……?」


 水妖精セイレーンのレンが、手を上げる。

 え、まじ?


「はい。少し前まで、私がここの代表をしていました」


 で、食われたと……。

 へえ……って!


「おまえが大司教だったのかよ!!!!」


 早く言えよ!

 てゆーか!


「ミネルヴァさんや」

「なんでしょう?」

 

 人間姿のミネルヴァ……いや、全知全能ミネルヴァさんに尋ねる。


「君、知ってたでしょ?」

「さて、なんのことやら?」


 すっとぼけやがるこの全知全能ミネルヴァ……!


「君は全知全能なんでしょ?」

「ええ。ですが全てを知っていることと、それをマスターにお伝えするかどうかは、別問題なので」


「ええー……じゃあなんでつたえてくれなかったのぉ」

「聞かれてませんでしたから」


 いやたしかに、レンが大司教かって、聞いてないけどさ……!


「わかるじゃん! 俺が大司教探してることは、知ってたんだからさ!」

「是」


 いや、是……じゃなくってですねえ……。


「どうしてそんな黙ってたのかい?」

「マスターに構って欲しくって。ああ、今マスターから、構っていただけてる……至福……♡」


 うっとりしてる全知全能さん。

 なんか、ヤバい方向へ進化していってないかい、こいつ……?


 まあ、何はともあれだ。


「レンがここの代表ならまあ、都合が良い。デッドエンド領に攻撃するの、やめてくんない?」


「でっど……?」


「俺の領地」

「わかりました。ですが、我々サラディアス大聖堂の聖職者たちは、ここでただ神に祈ることしかしておりません」


「攻撃はしてないってことか……」

「ええ、これまでも、これからも、ずっと」


 まあ、手ぇ出してこないって言うんだったら、それでいっか。


「じゃあ、用は済んだし、俺は帰るよ」

「お待ちください……! 神よ!」


 レン、そしてマッチョ集団が、俺の前で跪く。


「どうかこの場にいる全員、神のお膝元において欲しいのです!」


 マッチョ集団も含めて……だって……?


「まあ、来るモノは拒まないけど」


 相手は元敵だけども、別にこの人らが俺やデッドエンドに悪さしたわけじゃないからな。


「ああ! なんという寛大な処置! ありがとうございます!」

「お、おう……じゃあ、全員連れて帰るか」


 すると、ミネルヴァが言う。


「この聖堂を放置してかえるのは、よろしくないと、進言いたします」

「え、どういうことだ?」


 てゆーか俺に意見できるなら、最初からやってほしいんだが……。


「この聖堂には、凄まじい、神の力が付与されております」

「ああ……なんか神の弟子とかが、ここにいたんだっけ? その影響か」


「是:神の力は祈りを捧げることで、安定しておりました。しかしここで全員がいなくなると、神の力が暴走してしまいます」


 まじか。

 定期的に祈らないといけないってことか……。


 しかし、うーん……ここ海底だしなぁ。

 いくら、地方創生スキルで転移門ゲートを作れるからっていっても、暮らしにくいことには変わらない。


 ……よし。


「レン、それにドラ。ここをデッドエンドの支部とする。おまえらはここを守れ」

「「ははぁー!」」


 で……だ。


「この大聖堂を、地上へ持ち上げる」

「お、恐れながら……神よ。この海底に作られた聖堂を、どうやって地上へ? そもそも、持ち上げるとはどうやって?」


 どうって……。

 うーん……確かに海の中じゃ、ふんばりがきかないか。


 ん?

 海の中……だから……。


「よし!」


 俺は一旦海の外に出る。

 そして……。


「……ふんっ!」


 俺は前方めがけて、魔法を放つ。


 ズバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!


「うぉおおおお! す、すげええ! う、海が……割れたぁああああああ!」


 ドラのやつが叫ぶ。

 眼前にあった海水が消滅していた。


 頭上には、空が広がっている。


「んで、地中に……ふんっ!」


 俺は海底に手を突いて、魔法を発動。

 がきぃいいいいいいいいいいいいん!


「今度は割れた海がこおっちまったよぉ! す、すげええええ!」


 ふむ……こんなもんか。

 しかしドラのやつ大げさな。


「い、一体どのような奇跡をお使いになられたのですか?」


 レンが俺に尋ねてきた。


「え、ただ【風刃ウィンド・エッジ】をぶっ放したあと、【氷結フリーズ】で凍らせただけだけど?」


「ど、どちらも……初級魔法! それでこの威力……す、すごい……!」


 でもまあ、手ぇ抜いて良かった。

 全力なんて出したら、やばかっただろうからな。

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[一言] 初級魔法? さ、更に手を抜いていただと?!
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