101.みんなマッチョ
マテオの薬を、俺が飲ませることで、倒れていた天導の聖職者が筋肉もりもりになった。
「俺って薬飲ませるだけでも、こんなに異常に元気にしてしまうのか……」
「是:神ですから」
「そ、そっか……」
俺のすること全部、他人に凄い影響を及ぼしてしまうようである……。
「マスター……」
ぶるぶる、とミネルヴァが震えている。
「やっと……」
「やっと!?」
「ついに……」
「ついに!?」
うっ、うっ、とミネルヴァが目元を拭っている。
やっととか、ついって……え、ついに俺が理解した、って泣いてるの……?
「是:今日を祝日といたしましょう」
「馬鹿にしてるよね? ねえ?」
「さぁ、マスター。他にも苦しんでいる人いますので」
「ああ、そ、そうね……」
なんか馬鹿にされたこと、スルーされちゃったんだけど……。
まあいいか(よくないが)。
魔力感知によると、大聖堂内にはそこそこ、人間(と水妖精)がいるようだ。
「昔は今よりもっと人が居たのです」
と、レン。
「そうか、レンは元々ここにいたわけか。だから昔の状況を知ってるんだな」
「はい。それで、龍の生け贄としてささげられ、今に至る次第なのです」
ほどなくして。
俺は大聖堂へとやってきた。
「うう……」「あ……あ……」
これは……酷い。
皆衰弱していた。
直ぐにポーションを皆に飲ませないとな。
「マスター。いちいちポーションを飲ませていたら時間が掛かります」
まあ、たしかに結構数いるしな。
「何か良い案でもあるのか?」
「是:料理を作るのです」
「りょ、料理ぃ~?」
何言ってんだ……?
「料理を作り、そこへポーションをいれ、それを配らせるのです。料理を作った段階で神気が入りますので」
なるほど、俺がいちいち瓶をもって、その人に飲ませずともいいのか。
俺は台所を借りて、スープを作ってきた。
亜空間に入っていた食材を使い、ぱぱっと作った。
で、だ。
俺は鍋を持ってくる。手分けして、俺はメシを倒れてる人に配った。
すると……。
「うぉおおおおおおおおお!」
「きたきたきたぁああああああ!」
「みーーーーなーーーーーーぎーーーーーーーーーーーってきたぁああああああああああああああああ!」
な、なんか全員、ゴリマッチョになってるんですが!?
「神気を入れすぎですね」
「まじか……」
もうちょっと加減しないと、俺が料理作るたび、みんなマッチョになってしまうぞ!?
「ありがとうございます、神!」
「「「神……!!!!!!!」」」
ゴリマッチョ集団が、俺に感謝してくる。
あ、圧が凄い……。
「ああ、まあ……良かったね。元気になってな」
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