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第一章 五話 閉所恐怖症

研究所


人見はあれから無事研究所に迎え入れられた

「人見ちゃんの検査終わったよ」

「どうでした?」

「とりあえず軽い栄養失調があったから点滴をして後はメンタルケアをして今は落ち着いてるよ」

「そうか。よかった」

とりあえず一安心と肩を下ろす

「彼女は一応恩もあるからと協力はしてくれるようだけど人前に出せる状態じゃ無いね

彼女の症状及び能力は対人恐怖症、心の声を聞く力だ」

「心の声‥」

(俺なんか言ったかな大丈夫かな)

「彼女は嘘や隠し事に対して恐怖心を感じるらしい。君を信じない訳では無いがしばらく瑞生ちゃんに彼女を任せる事になったよ。彼女は性質上物事を考えないからね」

「性質上?そういやあいつの恐怖症って?」

「そういえばまだ言って無かったね

彼女の能力は生恐怖症、本来なら存在し得ない恐怖症だ」

「生きているだけで恐怖があるのか‥」

想像するとゾッとする

「だからこそ彼女は薬で多く眠り起きている時はあまり物事を考えない様にしているんだ」

「だから意外と姿を見ないのか‥」

「そう言う事さ。で丁度その事について何だけど少し様子を見てきて欲しい案件があるんだけど瑞生ちゃんが動けないのさ」

「どうするんですか?一人で見て来ますか?」

「いやいやそんな事は基本したくない

もう一人の協力者を同行させるよ」

あぁそう言えばもう一人いるんだったか

「紹介するよついて来て」

博士に連れられ部屋の一室に入ると

そこにはロッカーぐらいのサイズのガラス張りの箱に

裸に白衣を着たボサボサの長い髪の女の人がいた

「やぁ少年。大丈夫君の話は聞いているよ。あぁこの格好の事かい?私は体が伸び縮みする能力でね。わざわざ服を着る必要も無いって寸法さ」

「いやまぁそれも無くは無いけど彼女の趣味だからあまり気にしなくていいよ」

(いや趣味なんかい‥)

「初対面ぐらい威厳を保ったっていいじゃないか。全く‥」

「えっと彼女の名前は閉野 碧(しずの あおい)、能力は閉所恐怖症で正確には入る部屋のサイズまで際限無く大きくなる能力だ。逆に小さい箱にも入れるんだ

そこでこの箱に入るから連れてって欲しい」

博士はスマホの様なガラス張りの箱を出した

「彼女はガラス張り意外に出れば閉塞感で動けなくなるから気をつけてあげてね」

「分かりました」

「よしじゃあ入るよ」

彼女は小さい箱に移ると小さい白衣を着た

「よしじゃあよろしく頼むよ。くれぐれもポケットの奥とかに押しやるなよ。破って出るからな」

(うへぇ気をつけよう‥)


某所


(自殺者が出たんだけど不審な点が多くてね。多分関係無いけど周辺人物等を見てみて欲しい)

「って博士が言ってたけど、何からすりゃあいいんだ?」

すると胸ポケットのガラスケースから閉野さんが顔を覗かせる

「とりあえず周辺に聞き込みしてみるといい、怪しまれんようにね」

「分かったやってみる」

それから俺は周辺の人間に雑談混じりに話を聞いた

揃って口にするのは「自殺する様には見えなかった」

終いには死ぬ前に会う約束していた人まで居た

「これは私らが扱う案件じゃあ無いね。帰って報告しよう」

「‥‥」

(果たしてそれでいいのだろうか)

「バカな事は考えるなよ。別に見て見ぬふりしようってんじゃ無いんだ」

「そうだなわかった‥」

と踵を返そうとした時

男3人に捕まれ運ばれてしまう

「何だテメェら離しやがれ!」

しかし離される訳も無く

近くの倉庫に運び込まれ投げられる

「イテェな何すんだ!」

周辺を見渡すとそこそこ広い倉庫にガラの悪い男が大勢居た

そこで1番偉そうにしてる奴が前に出てくる

「お前こそ、うちらのシマを嗅ぎ回るとは一体どういう了見だ!!」

(こいつらヤクザかよ)

「大方この間殺したガキの関係者だろう?関係ねぇ殺っちまえ」

男達に囲まれ殴りかかられる

「くそっ‥」

「これは仕方ないな少年」

閉じてしまった目をゆっくり開けるとそこには全裸の巨人が居た

「ひぃバケモノぉ!?」

全裸の巨人は男達をまとめて掴むと地面に叩きつける

「すげぇ‥」

「くっ‥少年箱を‥」

言われてハッとした俺は胸ポケットからガラスケースを取り出すと視界まで持っていく、するとあっという間にシュルシュルとケースに収まっていった

「大丈夫か?」

手元のケースに収まった閉野さんに声をかける

「だ、大丈夫さ」

しかしその顔には血の気が無く今にも倒れそうだった

「待ってろ今すぐ研究所に連れて行く」


研究所に戻り閉野さんを渡す

しばらく待っていると博士が戻ってくる

「閉野は別段異常は無いよ。いつものケアで何とかなる

けどまぁしばらくは同行等は出来ないね」

「そうか。まぁ大事無いなら良かった」

「今回はすまなかったね。自殺にしては不審な点があったのは単純に他殺だったからだね。この件は警察に投げとくよお疲れ様」

「はい」

「今回は能力者の発見は出来なかったけどうちではそれが普通だ。前回運が良いのか悪いのか能力者関係だったからね、まぁ気長にやっていこう」

「了解です」

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