第一章 四話 対人恐怖症
私人見 琴葉の友達は少ない
たった一人の親友を除き誰もいない
でも他に望む物何て何も無い
親友の真希ちゃんさえ居てくれれば何もいらなかったのに‥
俺は博士に朝早くに呼び出され研究所に来ていた
「わざわざありがとうね
とりあえず今回は瑞生ちゃんと行動だ」
「あの時ぶりだね‥仲間になってくれたんだ‥よろしくね‥」
「お‥おう、伊達 凶死郎だ」
「相沢 瑞生‥瑞生でいいよ‥」
博士が手を叩き話を戻す
「で今回なんだけど、とある女子校で自殺者が出たんだけど
その友達らしき子の行動が少し怪しいんだ。少し見て来て貰えるかな」
「良いですけど、もしかして今日ですか?
学校あるんですけど‥」
「‥私行ってない‥」
まじか‥
「‥‥しょうがない休むか‥」
「すまないね
よしじゃあお願いしたいんだけど
くれぐれも危険な真似はしない様に僕達は警察でも何でも無いんだからね」
「了解です」
「了解‥」
数日前
「どうしたの真希ちゃん屋上なんかに呼び出して」
「琴葉‥私達‥友達だよね?‥」
「も、もちろんだよ」
私をいじめから救ってくれた真希ちゃん
恩人の彼女の為だったら何でも出来る
「ごめん‥私は‥分かんなくなっちゃった‥」
涙を流しながら話す真希ちゃん
「ど、どうしたの?何があったの?」
「‥‥‥」
「私に出来る事なら何でもするよ」
真希ちゃんは柵の方へ歩いていく
「あ、危ないよ?」
「最近同じ事ばかり考えるの‥」
こっちを向く真希ちゃんの顔は‥
私に殺意の様なものがあった
「あんたなんか助けなければよかったって!!」
「‥えっ‥」
そのまま真希ちゃんは柵を越え落ちていってしまった
「ーーーー」
声にならない悲鳴を上げ私は気絶した
起きた時私は保健室にいた
異変には直ぐ気づいた
「大丈夫?」
声を掛けてきたのは保健室の先生
((この子あの子の友達よね‥大丈夫かしら?))
「‥え?」
「?」
今なんか幻聴みたいなのが‥
するとドアがノックされ開かれる
「失礼します。出来れば話を聞きたいのですが」
そこには警察の人がいた
「一応起きましたけどあまり無茶は‥」
「だ、大丈夫です」
警察に軽く質問され答える
「大変な時にごめんねありがとう」
((まだ若いのに‥可哀想な事だ‥))
(やっぱり聞こえる)
心の声聞こえるようになったのかな?
と楽観的に考えていたが教室に戻ると
「大変な事になっちゃったね」
((人死ぬなんて初めてみたー))
「そうだね」
((全くめんどくさいなぁ))
((ガヤガヤ))
(う、うるさい‥)
琴葉は教室を飛び出し廊下の隅っこに疼くまる
その時一人の女の子が近づいてくる
「大丈夫?何処か痛いの?」
「あ、だいじょ‥」
((ったくめんどくせぇなこれ以上面倒はごめんだぞ))
「‥‥」
(嘘ついてる‥真希ちゃんと一緒だ‥)
真希ちゃんに裏切られた事
殺意の表情がフラッシュバックする
その瞬間襲いくる吐き気
何とか抑え込みトイレに逃げ込む
「うぅ‥‥」
(人はみんな嘘つきだ‥人と関わるなんてもう‥)
((ったく案外真希も根性無かったな新しいおもちゃ見つけねぇと前のあいつでも良いけどな))
(この声あいつだ私をいじめてたグループのリーダー!)
真希ちゃんはいじめられてたんだ
それを私にずっと隠してたんだ
グッと拳を握り締める
(許せない!奴らに復讐してやる!きっと真希ちゃんがその為の力をくれたんだ!)
それから私は能力を使い、いじめを加担した奴を全員突き止め
弱みや知られては困る事を探った
学校に居るだけで酷い頭痛がしたし何回も嘔吐を繰り返し体重も10キロ程度落ちた
だがそんな事はどうでもいい
真希ちゃんの事を思えば乗り越えれる
そして準備は整った
後はメッセージを送ればいじめのメンバーは少なくともこの学校にはいられないだろう
だがいじめのリーダーだけはこの手で絶対仕留める
(そしたら直ぐにいくよ真希ちゃん‥)
私はまずあいつを手紙で呼び出した
屋上で待っているという内容に奴の好きな奴の名前を書いた
奴は案の定ノコノコやってきた
「の、呑気なものだないじめの主犯者」
あいつは訳わからん顔から状況を理解すると怒りを表にした
「テメェは‥やりやがったなこいつ!」
「お、お前の弱みを知っているぞ」
「はぁ?何言ってんの?」
予想通りの反応に笑いが出る
「援交してんでしょ。それが親にバレたらやばいんでしょ」
「なんでそれを!」
「バラされたく無かったら飛び降りろよ!真希ちゃんみたいにさぁ!」
そう叫んだ瞬間近くまで走って来ていた
「このっ!」
顔面を思いっきり殴られて吹っ飛ぶ
「く‥‥」
(やっぱりこいつはここで私の手で殺す!)
私はナイフを取り出し見えない様に構えると
一気に立ち上がり奴に突きつけようと突き出す
「瑞生!」
誰かが割って入ったかと思うと
知らない少女にナイフが深々と刺さっていた
「あ‥あ、な、なんで‥」
「ひぃ人殺し!」
「‥大丈夫‥私は死なないから‥」
少女はナイフを抜き取り投げた
「い、一体何だって言うの?何で邪魔するんだよ!」
「殺すのを止めるのに理由がいるか?
強いて言えば個人的な理由だ」
もう一人男が現れた
(くそっここで終わりか‥ごめん‥真希ちゃん‥)
「ははっバカめ!変な事考えるからだよ!」
「黙れクズが」
「なっ!?」
「?!」
急に怒鳴りつける男
(こいつあいつの味方じゃないの?)
「言っておくがお前の秘密は俺たちも協力して広めさせてもらう。精々頑張れ」
「くっそんな‥」
男はこっちへ向き直り
「すまない。とりあえず俺達と一緒に来てくれるか」
(くそっもっと早く気付いてやれてれば‥
とりあえず研究所まで行けばこの子を助けてくれるはず)
この人私の味方なんだ‥
(まだ人と話すのは怖いけど
悪い人だけじゃない‥
もう少しだけ生きててもいいのかな
真希ちゃん‥)