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恋したい

曇り空の下で、ぽそりと呟いた。視界の右端で、小さな肩がびくっと動いた。

「あ、ごめん…」

「ううん、何て声かけたらいいかわかんなくて」

そういって笑顔をぱっとつくった。その笑顔に、心がチクリと痛んだ。

「私って、このままじゃ恋…出来ないね」

「そう…だね」

男子からも女子からも、「王子」と呼ばれ、かっこいいとか、イケメンだとか噂する。しかし誰1人として、私を女とはみていない。

「告白とか、されたことないよ…」

「まぁ樹が男子よりイケメンだもんね…」

イケメン…自覚はないが、周りからはそうみえるのだろう。

「樹はさぁ、好きな人いないの?」

「いない。いたとしても叶わないよ」

「そんなことない…って信じてる」

考えてみたらたしかに、男子からしたら自分よりイケメンで周りから王子と呼ばれているような女など嫌だろう。

「普段ポーカーフェイスだから笑うと破壊力やばいって言ってたよ」

「単に表情が少ないだけ…」

「たそがれてるときは美しいって」

「考え事してるだけ…」

「…」

「…」

話しながら2人でうつむいてきてしまった。

「無意識イケメンめ」

「嬉しくないから」

小さく笑ったが、内心困っていた。なんとか話題を見つけようと辺りを見回すと、同じ制服の男子がプランターの前にうずくまっている。


すぐに駆け寄り、「大丈夫?」と声をかけた。

しかしなにも答えない。話せないほどひどい腹痛なのかと思い、顔をのぞきこんだ。


「え…?」

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