心臓バクバクイベント 好きな子をデートに誘う。
俺の名前は黒河和人
陰キャでオタクで頭もよくないような男子高校生。
「おうちに帰りたい。」そんなことをつぶやきながら今日もホームルームが始まる。
俺はホームルームという言葉が嫌いだ。 これから学校という絶望の塊を一日中過ごさなければならないと意識してしまうからだ。
「一時間目は数学か..」 と そっと独り言。 誰も反応してくれない。 きつい。 帰りたい。
数学は移動教室なのでボッチで移動する。
数学はとっても面白い! 解くのがまるでゲームのようでスラスラ解けたときの快感がたまらない!
学校には絶望もあるが、希望もあるのだ。 こんなちょっとした楽しみが俺の心を支えてくれた。
数学が無事終わり、バクバク緊張しながら教室に戻る。
女子が楽しそうに友達と話している。 なぜこんなにも学校を楽しめるんだろうか。
とっても自分がむなしくなる。 だが、悪いことばかりではない。
こんな俺にも女子友達はいる 幼馴染で昔からよく遊んでいる。
彼女の名前は 佐藤 沙苗
とってもいい名前で、とっても美女。 モテモテで男子から本命チョコを毎年100個もらってるようなすごい子だ。
正直俺は見惚れている。 約10年間....
しかし友達はその一人しかいないのだ、ぼっちの俺を彼女に見られると、とても恥ずかしい。
俺「今度相談してみるか....な!」
周囲の人々「あの人何一人でぶつぶつ言ってるの?」
「気まずい!」
周りの陰口が聞こえた俺は走って、トイレの個室に駆け込んだ。
そして、トイレの個室で俺は決心した。
「今度、沙苗に"デート"というものを誘ってみるか!」
翌日
今日は金曜日 明日は土曜日 明日が休日というだけでこんなにも喜べる。
月、火、水、木は"地獄"の日で、金曜日は"神の日"と俺は名付けている。
俺「さぁ! 張り切っていくぞ!!」
早朝は教室にいても気まずいだけなのでトイレに引きこもるというのが日常だ。
今日、沙苗をデートに誘ってみようと思う。 トイレの中で決意しようとする。
しかし、誘う勇気がない。 中途半端な気持ちとストリートファ○ターしていた。
そう感じていた時、"とある男"の言葉を思い出した。
「やりたいことは、やらないと成長できないよ。 勇気を出してでもやりたいことはやること。」
そうか、俺は逃げ続けていたんだ。 俺史上最高に心が強くなった。 これを最強心コリッジ と俺は名付けた。 この最強心コリッジを使えば、 いつでも勇気が出せるという万能物だ。
そうこうしているうちに、ホームルーム開始のチャイムが鳴った。
俺「やっばばばば!! いっそげー!!!」
いつも気まずい環境から即逃げるために日頃足を鍛えているため、瞬発力は他人と比べて爆発的に速い。
無事にチャイムが鳴り終わるまで座ることができた。 周囲の目が気になって、めちゃくちゃ恥ずかしかったが、今はそんなことはどうでもいい。
俺「何時に誘おうか。。 何時に誘おうか。。」
ホームルームが終わった後の休み時間俺はずっと独り言を暗い声でつぶやいていた。
そして決めた。 昼休みに沙苗に会いに行く!
そう決心した俺はわくわくと緊張で 心が壊れていくような感覚を覚えた。
しかし、俺の新技 "最強心 コリッジ" を使って心を必死に支えた。
そしてついに待ちに待った 昼休み! ボッチ飯を早急に終わらせ、沙苗の教室に持ち前の最強の足で
走る! 走る!
俺「..あれ?」
沙苗はいなかった。 そういえば、沙苗は「本が好き」と言っていた。
俺「図書館か!」 そう察した俺は 沙苗の教室から爆速で離れ、 爆速で階段を駆け上る!!
俺「いた....!」 沙苗を見つけた。
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?グッ!!!!
心臓が!! バクバクだ!!
俺「最強心 コリッジ!!!」 と大声で叫んでもバクバクが止まらない!!!
俺は倒れてしまった.. 気が遠のいていく..
俺「せっかく..決心してここまでたどり着いたのに、、 なんで逃げちゃうんだろうな.. だっせ..」
後悔と無念で心がまた押しつぶされる.. 俺は暗闇に閉じ込められるような感覚を覚え、ついに意識を失った。