魔法少女勧誘!
四月。学校では始業式が始まる。私もまた、ここ多羽町で新たな生活を送ろうとしていた。
「行ってきます!」
そう言っても返事は帰ってこない。それは私にとって当たり前の事。なぜなら私は生まれながらの魔法少女。当然、親は魔法界にいる。
「(今回は何人勧誘できるかな~?)」
私の仕事、それは魔法少女の勧誘。年々減ってきていて、私達だけでは手に負えない状況になっている。
キーンコーンカーンコーン
「早く行かないと!転校初日に遅刻はやばいよ~!!」
*
「今日は、転校生を紹介します!入ってきてください。」
6‐2組の担任、鈴川怜奈先生に呼ばれ、教室に入る。
「初めまして!卯月英梨と言います。これから1年間よろしくお願いします!」
「皆さん、仲良くしてあげましょうね!」
「はーい。」
無事に自己紹介が終わった。
「(き、緊張した~!!)」
今まで、転校を繰り返してきたけれど、やっぱり自己紹介は緊張しちゃう。
「卯月さん、だよね?私、矢城悠!よろしくね。」
「うん、よろしくね!」
矢城さん、かぁ…。服装もおしゃれで、周りに友達がたくさんいる。
「席についてください!授業、始まりますよ!」
「(まず、私はテストしないと!)」
テストは魔法少女の素質があるかのテスト。最初は初級。私が心の声で反応するか見る。
「(テステス、聞こえますか?)」
話しかけると、数十人横を見たり、ピクッと体が動いた。
結構いる!今回はあたりだね!
次は中級。音楽をかけてみる。素質のある人以外は聞こえないからきっと反応しないはず。
音楽をかけると、さっきと同じ人達が反応した。
中々素質がある人達ばかり。次はどうかな~?
最後は上級。虫を飛ばして、反応するかどうか。
「きゃっ!」
「あっち行ってよ!」
ところどころから声が聞こえる。テストの結果、このクラスの女子全員。
大漁、大漁!さっそく、放課後に行きますか!