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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第七章 秘密咲き誇る地底の花街 〜精霊族と落人族、暗夜王と白夜姫〜
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第七十四話 赤き反逆者は何をしたいのか

最近『黎明』よりもその後の小説のアイデアを考えてしまいます、とりあえず最低でも月に一回、そしてそこから週一回にするのを目標に頑張りたい八握です。


今回で第七章は完結します。どうぞ楽しんで読んでくれたら幸いです。


再び姿を現したダンテ。


「ふ〜ん、暗夜王を倒すとはなかなかやるな」

「お前に褒められても嬉しくないが、一応ありがとよ」


壱路は不愉快そうな顔をして言葉を続けた。


「それでなんか用?あの黒い球なら渡さないよ?」


そう、ダンテは壱路に『五害之魔玉』なるものの一つを盗られているのだ。それが目的だと思った壱路だが、ダンテはやんわりと否定する。


「あれはまだいいや、今回の目的とは違うし」


そう言いながらも疑念は拭えない。そこで一つ問うことにする。


「•••前から思ってたけど、お前の目的ってなんだ?」


前に聞いたときは仲間になった時に教えてやるのなんだのと言ったので断ったが、なんだかんだで気になっていたのだ。


「聞きたい?」

「聞きたい」


そしてダンテはシニカルな笑みを浮かべ言った。


「世界を滅ぼす事だよ」


そのあまりにも悪役に定番のある言葉に一瞬言葉を詰まらせる壱路。


「•••••何故だ?」

「世界を壊す事に理由なんているか?」


人を喰ったような笑顔を浮かべながらそう答えるダンテ、その顔を見た途端、壱路はこれ以上話す事はないのだと悟った。


「なんかムカつく答えだな、そういう態度は好まれないよ?でもいっか•••••ボコって吐かせてやる」


ギィン!


そう言うと壱路は予備動作もなくダンテに斬りかかった。がダンテも剣を構えそれをいなした。


「乱暴だな〜、どうやらあれから少しは強くなったみたいだな•••けどなんだろうな、お前の強さは、おかしいな」

「?どういう意味だ!」


ダンテの言葉に壱路は更に困惑する。


「唯一魔法って奴はどうしてもそいつの精神の在り方って奴が出てしまうもんだけど、お前のは支配してるって言うより自らの想像を直接具現化してるって言った方が正しい」


壱路はダンテの事を不快な目で見ながらもその言葉に耳を傾けた。


「想像の••••具現化?」

「あぁ、でもなんでそんな能力になった?まるで••••」


しかし、ダンテのその先の言葉を壱路は聞く事は無かった。何故なら••••。


「ぬぉう!」


突如、空から人の形をした物がまたも降ってきたからだ。しかもそれは、先程仲間達と退避していた筈のテンタロウだった。


「また吹っ飛ばされたの?テンタロウ」

「うぅ、面目無い•••••」

「•••••みんなは?」


嫌な予感がした為、テンタロウを問い詰めるがその心配はすぐに払拭された。


「イチロさ〜ん!」


声のする方向を見るとリュアを筆頭にヒルデとウリも走ってきた。その後にはその他のメンバーもおり十一人(内二匹)全員揃って•••••十一人?一人増えてる。壱路がよく見ると確かに一人ーーーーー知らない少女がいた。


「みんな!どうしたんだ?••••その子は?」


鮮やかな着物を着たその少女は顔には若干の幼さを残しながらも気品に満ちた声で頭を下げる。


「初めまして、私はサキラ、白夜姫です。イチロさん、でよろしいですか?リュアさん達からお聞きしました、本当にありがとうございます」

「へぇ〜〜••••(ってちっさ!?)」

「(ですね!)」


その幼さに内心驚いていると声が聞こえた。


「おーい、俺を忘れてるんじゃねー!」

「あ」


ダンテのことをすっかり放置していたのを思い出した。さっきから話が逸れっぱなしだが気を取り直して刀を構える壱路だがーーーー。


「ダンテェ!待たせたな!」


またも邪魔が入った。そこに現れたのは五つの影、声を上げたのはその真ん中にいるーーーーーー黒い毛並を纏った虎人であった。


「あ、あいつは!」

「さ、さっき襲ってきた奴らなんだなぁ!」

「ふふふ、見つけた••••ダンテ、お楽しみの邪魔をしてごめんなさい。でももう終わりにしたら?」

「た、確かに••••」


虎人の隣にいる黒いブーケを被った色白の女性に言われ僅かに考えるダンテ。一方壱路は•••。


「まさかこれがリベルオ・アサナの全メンバーだとでも言うのか••••以外と少人数だったんだ!?」

「その通りだ!もうこのままだとグダグダして話が進まないから、もう始めるか••••俺たちの本当の目的の第一段階の開始だ、見ろ!」


ダンテはその手に赤玉を持ち、叫んだ。


「そ、その玉は!」


クズノハはその赤玉をみて驚愕と恐れの表情を見せた。


「どうやらこれがなんなのか分かるようだな、狐さん」


ダンテは赤玉の手で弄びながら笑う。


「止めなさい!それを使えばもう後戻りは出来なくなりますよ!」

「もう片脚どころか半身その逃げれない道に入ってるからな」

「うわぁ〜〜なんとなくヤバイ感じが•••••」


その嫌な予感は最悪の形で的中した。ダンテは赤玉を掲げ、何やらブツブツと何か言っている。


「《甦れ、あらゆる苦痛を宿した魔神よ、その砂で全てに痛みを与えろーーー『苦痛之砂ヌバジャカ』》」


ダンテはそう唱えると赤玉は一層光を放つ。そして手に持つ赤玉をダンテはーーーーーー壊した。


そして周囲にある異変が生じる。


グラァ、地面が揺れた、その揺れは段々と大きくなり、もはや敵味方関係なく誰も立っていられなくなっていた。


「目覚めるぞ、忘却の彼方に追いやられし魔神の一柱が!はははははははははははは!」


ダンテは狂ったように笑った。


これこそ後に『アナムネシス』三連大戦役、魔神戦役の幕開けであり、壱路の最大の危機の始まりとなるのだが•••そこはまた別の話である

次回!


ついに動き出したダンテ、彼の真の目的とは?

そして壱路はなぜ異世界に来たのか?その真実も明らかに?!

それぞれのバックグラウンドが明かされる時、事態は衝撃の展開を迎えーーーーーー!?


停まってた時が動き始め、黎明が闇を照らす!

第八章、開幕!

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