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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第七章 秘密咲き誇る地底の花街 〜精霊族と落人族、暗夜王と白夜姫〜
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第七十一話 陰謀加速と精霊契約

お待たせしました!

最新話です!

「ダンテ?!」


その名前を聞いて壱路は思わず叫んでしまった。当たり前だろう、壱路にとっては二度と会いたくない相手なのだから•••。


「イチロくん、この名前に心当たりがあるのか?」

「うっ•••」

「わ、私が説明しますね〜!」


壱路は嫌そうな顔をしたのでフォウンが代わりに説明を始めた。


ダンテが謎の組織、リベルオ・アサナのリーダーで壱路とは歪んだ鏡を見るように相性が悪い事を。


そして壱路との因縁を••••。


「•••という訳であいつは」


説明を終えてザンとクズノハは納得したように頷く。


「そうですか、そのような事が•••」

「まさかそんな恐ろしい男だったとは」


そんな感想に壱路は一つ口を挟む。


「けどな、僕はあいつが楽しんでやってる様には見えなかった。なんか•••果たさなきゃいけない目的があるみたいな感じだった」

「果たさなきゃいけない目的?」

「まぁ、ほとんど勘だけどね、•••••話を戻すけど、暗夜王とダンテは手を組んで何か企んでるのは確かなんだね?」

「えぇ、やはり白夜姫を閉じ込め、暗夜王と手を組みよからぬ事を企んでるのは間違いないようですね」


どうやら白夜姫が政治の表舞台から遠ざかった原因はダンテにも一因があったようだ。


「なら、今すぐその暗夜王をとっちめなきゃだなぁ•••」

「いや、無理だ」


アマツチのその意見を壱路は一蹴する。


「今の僕じゃあいつらに勝てない」

「そうでした!今のマスターは通常の一億分の一は弱くなっているんでした!」

「コウトクオウでも何とか行けるけど、魔法が使えなきゃ、僕は下手すればスライム以下の弱さだからな」


そう、壱路の強さはカンストした魔力とその変幻自在な唯一魔法からきている。


その力が封じられてる今、壱路は牙を折られた狼に等しいのだ。壱路は険しい表情を浮かべ悩む。


「•••••ならば、魔法に代わる力があれば問題ないでしょうか?」


そんな時、クズノハの一言が場の空気を変えた。


「セイ!今すぐにイチロさんと精霊契約を結びなさい!」

「え!?」

「•••どういう事だ?」

「時間が無いので手早く説明しますね」


クズノハが言うに、精霊契約をすれば精霊の魔力と契約者の魔力が結合され相乗効果で戦闘力が何倍にもなり、またここでも魔法が使えるようになるらしい。


そしてそのまま彼女は外に続く扉に目を向け告げた。


「それにどうやら、私達は見張られてるようですからね。早くやった方がいいでしょう」

「み、見張られてる?!」

「た、大変だなぁ!」

「二人共静かに」


ザンに注意されリュアとアマツチは口に手を当て、息を潜める。


「と、という事は暗夜王が私達の事を嗅ぎつけて?」

「おそらく。それに」

「師匠、御嬢さん、どうしますなんだなぁ」


そんな中、外から大声が聞こえてきた。


「聞けぇ!不届き者どもめ!」


それは外を囲む暗夜王の手が掛かった者の声であった。


「既に、御前達の仲間の内、同族と獣人、少女は我らの手の中だ!大人しく投降しろ」

「テンイートとツクヨ、アルシャークの事か!」

「仕方ない••••セイ、早くしなさい!」


最早時間がない、クズノハはセイを急かす。


「いきなりだなぁ••••」

「お願いしますよ〜、お稲荷様〜!」

「おいなりさま?」

「マスターの故郷で崇められるキツネの神様ですよ!」

「ほほぅ!確かに俺は神も恐れぬ精霊だからな!」


フォウンの言葉で調子に乗ったセイはすっかり乗り気になっていた。


「よし!後は媒体を決めるだけだな!」


媒体とは精霊と契約者をつなぐパイプとなる物である。これにより


「媒体•••これはどう?」


そう言って壱路は左手に嵌めてるブレスレットを見せた。それをセイはキラキラした眼で見つめ言った。


「おっ!これでいいぜ、これが良い!じゃ行くぜぇ!」


そしてセイは腕を上げ壱路のブレスレットに触れ、叫んだ。


「《異心伝真いしんでんしんの儀》!」


異心伝真いしんでんしんの儀》•••それは精霊契約をした者が成せる技。自分と精霊にとって最適な形で発動する事が出来るのだ。


するとブレスレットを中心に光が差し込んだ。


ビッカー!


光が辺りを包み込んだ。それは純白と金色の光だった。


「なっ!?」

「きゃあ!?」

「ぬわぁ!?」

「むっ!?」

「どわぁ〜!?」


一同はその光に眼がくらみ、一瞬ひるんだ。


ヒュオン!


一陣の風が吹くと同時に光が収まる。そして気づくとそこには壱路とセイの姿は無かった。


「あ、あれ?イチロさんは?」


突然の異変に驚くリュア、すると外から声が聞こえた。


「げふ!」

「ぎひょ!」

「ひゃ!」

「ぐはぁ!」


突如、外から短い悲鳴が聞こえた。一同は急いで外に向かう。


「こ、これは?!」


見ると外にいた暗夜王の部下達は一人残らず地に伏せていた。


「イ、イチロさん!」


そしてその中心にはボーッとして立ち尽くしてる壱路とセイの姿が見えた。


「これが••••精霊契約か」

「まぁな、精霊契約者ってのは一人ひとり力の引き出し方や効果がバラバラだから、それぞれ個性が出るけどよ•••こいつは異常だぜ?」

「•••変か?」

「いや、最高にカッコ良いぜ!」

「そうか•••••」


壱路は拳を握りしめ、手に入れた力を実感していた。

次回!


仲間を救う為、策略を打ち破る為、夜の闇を照らす為、暗夜王に殴り込みを仕掛ける壱路!

そこに待ち受けるものとは••••。

そして壱路の新たな力が発現する!


乞うご期待!

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