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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第七章 秘密咲き誇る地底の花街 〜精霊族と落人族、暗夜王と白夜姫〜
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第六十五話 そうだ。精霊境に行こう

今回から新章突入します。

『陽囮陰撃』の作戦が成功し、見事三国の同盟【バンヴンダーネ同盟】が成されてからしばらく、月はアクエリンド、つまり2月となっていた。ひょんなことから大戦勃発しそうなって慌ただしい日々が続いたが壱路はそんな中でもゆったりとマイペースに過ごしていた。


「••••平和だなぁ」

「ですねぇ〜〜」

「•••で、ですよねぇ」


壱路は今、リュア、フォウンと共に室内で談笑していた。


「マスター、最近その本ばかり読んでいるみたいですけど•••読めるんですか?」

「ん、読めるよ?メガネに《翻訳》を掛けといたから」


壱路は今、本を読んでいる。魔王国のピアに決闘に出て欲しいと請われた際、手に入れた報酬、【精霊の書】だ。


実際に読んでみると、エッセイ集みたいなものだが、内容は非常に興味深く、壱路が知りたい情報も入手できた。


「あと少しで読み終わるけど、これが終わったら近々行きたいところがあるんだ」

「そ、それって•••••?」

「精霊境【トウゲン】」


精霊境【トウゲン】•••それは【精霊の書】に書かれていた精霊族スピマの里である。なんでもこの本の作者、初代魔王ソング・リアスピナ・エクリプスはかつてそこに足を踏み入れ、精霊族と友好を結んだ、と書いている。これは行かない手はなかった。


「マスター!精霊境ってまさか•••分かったんですか!?精霊族スピマの居場所が!」

「うん、この本に書かれてたよ、それに•••」

「「それに••••?」」


壱路は勿体ぶったような態度をとるが、少し考える表情してかぶりを振る。


「いや、これは後で話すよ。今日はピア達にしばらく出掛けることを伝えとかないと•••••ちょうど会議の日で助かったよ」


その後、ちょうど会議の為集まっていた三国の代表達にしばらく旅に出ることを伝える壱路。


「「「精霊境に行く〜〜!?」」」


目的地を言うと案の定、驚愕の声が響き渡った。


「ほ、本気で言っているのか?イチロ?」

「本気本気、幸い確信があるし」

「ふむ、精霊族の里•••••か」

「はー、もうこれ以上驚かねぇよ。お前のその行動力にはな」


壱路の規則外さにもう半分諦めと呆れの感情を出す三国の代表。そんな中、今はピアのサポートに回っているフォルはある疑問を口にする。


「それでさぁ、イチロくん、メンバーは?ぼくとサナは忙しいから生憎行けないよ?」

「えっと、フォウンにリュアちゃん、テンタロウ、アルシャーク、ツクヨ、ヒルデにウリだろ?••••あ。後さ、テンイート貸してくれない?」

「テンイートを?」

「ん、ちょっとね」

「まぁいい、彼、あの作戦で一人ボロボロにやられて落ち込み気味だったし、しばらく休暇ついでに連れて行ってくれ」


テンイートは『陽囮陰撃』で一人敵に負けた事を気にしており、あれからがむしゃらに訓練をしているという。それを心配に思った••••のが理由の半分・・である。もう半分の理由は後々説明するとして、壱路は会話を元に戻す。


「分かった•••••そういえば、リベルオ・アサナの情報は?あと『五害之魔玉』については?」

「それはまだ調査中だ。リーダーのダンテ?彼の事がわからないし、メンバーも把握できてない。『五害之魔玉』については今はワントが人帝を尋問しているが、口を割るかどうか•••」

「•••そっか、分かった(あの黒い玉とかを何に使うんだ?まぁ、奴らもまた動き出すみたいだし、その時ダメ元で聞いてみるか)」


まだわからない事だらけだが、そのうち自体は動き出すだろうと忠告し、壱路は部屋を出て行った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日後•••。壱路は仲間達と共に空を飛んでいた(・・・・・・・)


「もうそろそろだな、本に書かれてある座標まであと少しか」

「はい!それにしても考えましたね!マスター!スマホを、私に付加魔法で機能を追加して魔法の効果範囲を操作するなんて!」


実は壱路は自分に魔法を緻密に制御する事が向いていないという事に気づいてた。そして考えた所、フォウンに魔法で機能を追加して精密操作の補助を任せる事にした、すると狙った威力と範囲で魔法を放つ事ができるようになったのだ。


ちなみに今は空気を操作して雲にし硬質化、そして重力操作で飛べるようにした《筋斗雲》(結構大きいバージョン)で空を飛んでいる。


「あぁ、前にネット小説でスマホを片手に異世界で活躍する主人公の話があったからな、このやり方を使えば様々な事態に対応出来るよ」


ついでに久しぶりにステータスを見ると色々ヤバい事になっていた。


イチロ・サガミ


Lv 128 age:19


HP S

MP EX

ATX SS

DEF S

AGL SSS


EXP 1238742

NEXT 261258


【魔法属性】 無


【魔法】 支配(ドミネイト)〈直接開放・間接開放・多重開放・法則開放・無言支配開放・概念支配開放〉


〈称号〉

異世界人・支配者・想定外の来訪者・覚醒者・鱗蟲刀の主・解放者・闇鴉・ド人好し・好かれ体質・勢い屋・祭り好き・サムライ・極限の魔・電光石火・強さ求めしもの・激情の白髪赫眼・眠りの王・悪夢の傷を持つ者・傾国の者・金色の化身・王を打破したもの・怠惰の極み


レベルはアップしたし、ステータスはカンスト気味、【魔法】 も〈無言支配開放・概念支配開放〉がある。


〈無言支配開放〉は文字通り無言で魔法を発動できる。

〈概念支配開放〉は《障害ヲ打チ破ル者(モード・ウルスラグナ)》を使う際にとても重要な《概念支配》に必要なものだ(ただし燃費が悪い)。


後〈称号〉なのだが、•••••面倒なので放っておく。

そもそもステータスは戦闘関連についてしか大雑把に書かれていないし、〈称号〉も大して意味のないもの•••だと思う。


と、まぁ、ステータスについてはこんな感じである。


「お、おい!イチロ!落ちないんだな?本当に落ちないんだな!」

「下さえ見なきゃ大丈夫だろ、下さえ見なきゃ•••って怖えぇぇぇぇよ!」

「うわぁぁぁ!す、すごい速いです!」

「はい!師匠、すごいです!」

「••••そうっすねぇ〜〜」


見ると同行者の五人(+一機、二匹いるが今はお昼寝中である)は《筋斗雲》による空の旅に慣れていないのか、それぞれが異なる反応を見せる。


「さて、ここが目的地だな」

「「「「「•••••ここ?」」」」」

「うん、ここ」

「イチロさん、ここって•••【奈落】じゃあ•••••」


【奈落】•••直径500メートルに及ぶ巨大な穴であり覗いてみると闇よりも深い漆黒に染まっている、まさしく奈落の名に相応しい穴だ。いつからこの穴があったかのか今でも原因は解明されてない、謎の大穴である(ちなみに魔王国では秘境の一つに認定されてる)。


「そうだよこのに目的の場所があるんだ」

「ま、まさかイチロさん•••」

「うん、そのまさか」


壱路は穴の真上・・で《筋斗雲》を解除、それと同時に一同は真っ逆さまに穴の中に吸い込まれていったーーー。


「レッツ、ゴー!地底の奥へ!」

「「「「「ぎ、ぎゃあああぁぁぁぁぁ!」」」」」


この時、壱路(そしてフォウン、ヒルデとウリ)以外、死を覚悟したと後で語っている。


次回!


壱路達は地底の彼方へ!そしてテンイートの明かされる過去!

そして謎は謎を呼び隠された第五の種族が現れる!


乞うご期待!

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