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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第一章 放浪の支配者 〜 スマホと刀と唯一魔法〜
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第五話 旅立ちとその頃獣共和国では・・・

異世界に来てから一週間が経ち、壱路は都市の門の所にいた。



「ふぅ、いろいろあったが・・・」

「(貯蓄もだいぶ貯まってきましたし〜、これで旅にでれますね〜)」



そう言いながら、壱路はこの一週間の事を思い返していた。

ゴブリンはもちろんファンタジーでは定番のゴーレムやここにしかいないレオドッグやトリザカナという魔物を討伐し、魔法の新たな使い方を模索した。元の世界では決して見られない道具や食べ物の数々をみて買ったり食ったりもし、充実していた。



その中でも何より壱路が心惹かれたのは本である。この世界の本は面白い。もっと読みたいが本はこの世界では貴重で高額だ。何故なら一つ一つが手書きの写本で数も少ない。だから図書館などに丸一日こもって過ごす日もあった。

けどまだ足りない。もっと読みたい。壱路はこの世界の書物を全部読もうという野望もできていた。



現在、壱路は旅立つ準備を終え、ここに立っている。

実際には街での活動(連日クエストを受けて大量の討伐部位を売っていた事)が目立ち過ぎてしまったから厄介な事になる前に出る事にしたのだが。



服は学生服の上に漆黒のロングコートを身に纏って。



このロングコートは壱路が防護服として買った物で着た者には体力と身体能力強化の恩赦が与えられる。元々は売れ残り安売りしていた魔道着だが、体力が常人以下の壱路にとってはまさしく最高の防護服だった。もちろん丈夫で防護服として機能はある。

ちなみに黒のロングコートタイプを選んだ理由は壱路の気にいっているラノベの主人公が黒のロングコートを着ているから・・・というのは秘密である。



腰のベルトにククリナイフが下がっており、その隣にHP回復薬である《黒蜜飴》とMP回復薬の《白蜜飴》が大量に入っている袋がある。そして手に持っている布袋には非常食などがびっしりと入っている。



「(じゃあ、そろそろ行きましょうか〜。マスター)」

「・・・・・あぁ」



そして壱路は門を出て、一人呟く。



「じゃあ、またな」



空は晴れ渡り、まるで旅立ちを祝福しているようだった。



「そういえば、マスター?」

「何?」

「ひとまず今の所旅立ったのはいいのですが、一応予定とか立てていますよね?」

「あ〜、それならな・・・」



壱路は笑いながら言った。



「とりあえず【獣共和国・レオス】に行ってみようと思うんだ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【獣共和国・レオス】 ー五獣会議の間ー



【獣共和国・レオス】 は獣人族ビストマ達が住んでいる三大国の一つだ。獣人族は、その身にそれぞれ生物の力を宿しているため生命力と身体能力が非常に高い。しかし魔法を使う事ができないというデミリットがあるが、それに変わる技術によってそれらを補っている。国は五獣会議という王と選ばれた4人の代表によって政治を行っている。



「・・・・・遅い・・・」



黒い髪の男がそう呟いた。

彼のいるその部屋は円卓のテーブルと五つの椅子が置かれている。簡単な作りだが、どこか神聖な雰囲気を感じらせる家具である。



そこに二人の男が座っていた。一人は獅子のような金色の立派な髪とヒゲ、そして獣耳と尻尾をもち、見る者に畏怖を与えるオーラを醸し出している。何よりその鍛えられた肉体が、そこに刻まれた傷が彼を歴戦の戦士だと証明している。

一方の男性は夜のような長く黒い髪をもちスラッとした長身だ。だが背中には髪と同じ漆黒の翼が生えていた。その顔は涼しげであるが、いまは、若干のイラつきも存在する。

この二人は【獣共和国・レオス】の中枢である《五獣会議》のメンバーである。そしてこの金髪の男、彼は《五獣会議》トップでありレオスの実質的な王である【獅子王】ナガザ・レオズで、黒髪の男は獣人族のエリート【三将軍】の一人にして宰相【王の右手】と呼ばれるバサト・ウイングである。



「おいおい、バサト、もう少し気長に待とう、会議までまだまだ時間があるであろうが」

「しかし、ナガザ様!それでいつもいつも会議の時間が遅れるのではないですか!しかもまたアサミケ様は欠席ではないですか!」

「彼女が欠席なのはいつものことだろう。それにそろそろ・・・・・・・」



タイミングよく扉が開いた。



入ってきたのは青色の長髪が目立つ長身の軽い感じの男性と、ゾウのぬいぐるみを着た奇妙な人物である。



「おぉ、来たか来たか」

「ふんっ、遅いぞ!ヤノバサにダントマス」

「いや~、スマンスマンちょっと用事が手間取ってなぁ~。」

「・・・・・ゴメン・・・・・」



青髪の男性はヤノバサ・シーラ、そしてゾウのぬいぐるみの人物はダントマス・エレファ。ふたりはバサトと同じ三将軍であり、同じく《五獣会議》のメンバーである。本当はもう一人メンバーがいるのだが、なぜか毎回欠席しているのだ。



「さて、一人欠けているが・・・ここに《五獣会議》を開催する!」

「・・・・議題は?・・・・」

「はいは〜い!ではまず俺の報告から〜」

「分かった。ではヤノバサ、お前の報告を聞こう」



ヤノバサは隠密行動が得意なので、普段は他国に潜入して情報収集をしている。



「まず、人帝国からの情報だね〜、なんでもあっちで勇者召喚をして成功したらしいよ〜」

「なにっ?!あちらにある太古の昔、人族を救った勇者を召喚したという魔法陣を使ったというのか?!あれは人帝国の第二王女が失敗し、昏睡状態になってからはしばらく使用されることは無かったはずだ!」

「それがさ〜、あっちの第一王女が成功させたらしいよ〜」

「あの人帝国の王め・・・・自分の娘の命をなんだと思っているのだ」

「後話それるけど魔王国でも探り入れてみたんだ。あっちの魔王は相変わらず他の国に和平の申し出送っているみたいだよ」

「やはりか。ここの所何回もきているぞ」

「・・・怪しい・・・」

「俺の報告は以上です〜。他の人なんかありますか?」

「・・・特にない・・・」

「そういえば、ナガザ様。近々他の国に戦争ふっかける話は本当ですか?」

「無論だ、長い間我々を奴隷同然に扱っていた人族、そしてあの残酷な魔王がいる魔族、どちらも許して置けん」

「・・・・そうですな」

「まぁ戦についての話はまた今度だ。とりあえず今日の所はこれにて解散とする!」



獣王の言葉と共に四人は席を外していく。



世界のバランスがまさに崩れようとしている事態が起こり始めている。

その出来事がやがて世界を変える大事態になる事を壱路は、他の者もまだ知らない。

次回

立ち寄ったとある遺跡で主人公が出会ったものとは・・・

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