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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第二章 支配者と仲間達 〜龍の親子と勇者と激情の瞳〜
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第二十三話 怒りの赫眼

ちょっと残酷な描写があります

「そうだな・・・こんなに頭にきたのは久しぶりだ、手加減しようにも難しいから、・・・念の為、前もって葬式の予約でもしておけよ、エセ勇者が」



そう言って壱路は腰からガイシを軽やかに抜いた。紫色のオーラが壱路の感情と呼応するように動く。



「あ、あいつ何なの?なんかよく見ると日本人っぽいけど・・・」

「分かりませんが、ここは戦うしか無いようですね・・・」

「あぁ、さっきので分かったけど多分あいつは火属性魔法の使い手だ、だからシズク、俺とライさんが時間を稼いでいる間に水魔法で動きを止めて。そこを俺の光魔法で倒す!」

「で、でも私たちまだ人と戦ったことなんて無いよ?」

「大丈夫だよ、殺さずに無力化すれば・・」

「そうですね、出来る限りは・・・・・危ない!」



突然叫んだライの声に反応し、三人は身を構える。



「喰らえ・・・《倶利伽羅・飛竜ひりゅう》!」



ゴォ!



突如、炎が竜の形を得て、飛んできた。三人は辛うじて全員避けるが、ライはふと見ると目の前に壱路がいた。



「話し合いは済んだ?」



禍々しい感情を感じさせない声だが、聴いた瞬間、背筋がゾクリとする声だった。



「まぁ・・・・、どんなに足掻こうと謝ろうとお前らを許す気はないけどね」



そう言って壱路はガイシをライに向かって振り下ろした。



ガキィィン!



しかしその一撃はヤマト・ケンザキの剣によって受け止められた。



「ふぅん・・・、ガイシを受け止めるなんて曲がりなりにも勇者って言うだけのことはあるな」

「お褒めに預かり光栄・・・だ!」



カァァン!



ガイシを弾いてヤマトは剣を構える。



「つ、強い・・・!」

「これ程とは・・・!」

「怯むな!相手は1人、こっちは三人だ!力を合わせれば」

「勝てると思ったか?」



壱路はガイシを構えながらそう言った。



「取り敢えず、腕・・・いや四肢を全部切り落とすか身体の骨半分くらい折らないと気が済まないな・・・」

「くっ・・・調子に乗るのもいい加減にしろ!」

「そうね、これでも喰らいなさい!《ウォーター・プリズン》!」



その瞬間、壱路の足元から水の檻が姿を現した。それはどんどん大きくなり、壱路の動きを封じていく。



「ナイス!シズク!」

「流石です。シズク様!」

「いいから早く!」



そう急かすと彼らは一気に畳み掛けようと魔法を連発してきた。



「《ウインド・カッター》!」

「《ライト・シャベリン》!」



ゴァァァ!ビキャァァ!



彼らの攻撃が壱路に直撃する。

煙で見えないが影も形も見られない。



「キュ〜〜〜イ、キュイ・・・」

「あんなのを直撃を受けたら、とても無事じゃあ済まないぜ・・・!」

「イ、イチロさん・・・そんな・・・・!」



リュアたちも心配するなか、声が聞こえる・・・。



「何処を狙っているんだ?」



勇者達の後ろに壱路は座り込んでいた。



「な、なんで!私の《ウォーター・プリズン》から抜け出せるはずがない!」

「それに抜け出した気配なんてしなかった筈だ、確かに直撃したと思ったのに・・・」

「バカな・・・・・」



三人が驚愕する中、壱路は言った。



「まぁまぁ強いな、けどもう終わりだ・・・疲れたから四肢はやめて手足一つずつで我慢しといてやるよ」

「ふ、ふざけるなぁぁぁぁぁ!」



激昂したヤマトが剣を構えて壱路に斬りかかる。しかし壱路は避ける動作もなく、そのまま座っていた。



そしてジリジリとヤマトの刃が壱路の命を刈り取る時間が迫る。

確実にやれるーーー、そんな考えがヤマトを支配していた。



そしてヤマトが振り下ろした剣が壱路に当たろうとした時、異変が起きた。



「・・・やった」

「何を?」



その時ヤマトは戦慄した、そう、壱路の声が後ろ(・・)から聞こえた。

何故後ろに?動く素振りも見せなかったのに?ヤマトの頭の中は混乱していた。



「いや〜、惜しいな、結構いい太刀筋だが・・・甘かったな、俺とお前らじゃあ差がありすぎる。」

「だ、黙れぇぇぇぇぇ!」



そう絶叫したヤマトは後ろに向かって剣を振り回すが・・・・・。



「・・・駆けろ、《韋駄天いだてん》」



その言葉と同時に壱路は瞬時にその場から姿を消した。そして次の瞬間、壱路はヤマトの後ろに姿を現した。



「さぁ、クライマックスだ・・・!」



そして壱路はガイシを構え斜め下に振り下ろした。



ズバァァァ!



ヤマトの左足が切断され、血が滝のように流れ落ちる。



「まずは一つ目・・・」

「ク、クソがぁぁぁぁぁ!」



そして咄嗟にヤマトは壱路に剣を向ける、しかし壱路は慌てず素早く刀を構え、横に凪ぎる。その斬撃はヤマトの右腕を切り裂いた。



バシュッ!



「ぐ、ぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「うるさいよ」



そして壱路はトドメとばかり、ヤマトの頭に頭突きをかました。



「ぐぉふ!」

「はぁ・・・これで一人目か・・・頭いてぇよ・・・」



気だるそうに壱路は赫い瞳を後の二人に向け呟いた。

次回


勇者をも圧倒する壱路の力!そしてその代償は・・・色々急展開!


乞うご期待!

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