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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第二章 支配者と仲間達 〜龍の親子と勇者と激情の瞳〜
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第十九話 ホロウとの対話

「ホロウ?あなた、あのホロウなの?」

「はい、リュアさま」

「ホロウって、あの武器の?!マジでか!」

「やっぱりな、ガイシ、お前が手伝ってもらった奴はホロウなんだろ?」

「うん!さっきホロウおねーちゃんと会ってみんなで挨拶したいな〜〜って思ってさ!」

「フォウンは?」

「あ!忘れてた・・・すぐに呼ぶね〜」



すると壱路の手元にスマホが出てきて・・・。



「ガイシ〜〜!ひどいじゃないですか!ワタシだけ仲間ハズレにして〜!」

「ご、ごめん、フォウン」

「フォウン、ガイシも反省してる、許してやれ」

「はい、マスター!」

「イ、イチロ・・・その魔道携帯、喋っているのか?!それ自体が喋っているのか!」

「その通り!ワタシはフォウンと申します。マスターの・・・パートナーみたいなものです!」

「おい・・・」

「もう何が来ても驚かないぜ。お前はなんだ?ビックリ箱か?しかもその子の事ガイシって言ってたけど・・・・まさか『竜子刀・ガイシ』か?」

「そうだ。こいつは僕の相棒の『竜子刀・ガイシ』だ」

「よろしくね、リュアちゃん!あとおじさん?」

「よ、よろしくお願いします」

「お、おじさん・・・」



アルシャークはショックを受けたように崩れ落ちた。



「(今はほっとこう)で、ホロウ、何故ここにみんなを呼び出した?目的はなんだ?」

「・・・目的は二つですね、一つはわたしの主であるリュアさまに会う為です」

「え?私に・・・?」

「私は性能に全ての力を注いでいる為この空間を作る為の力はないのですよ。代わりにガイシは力は他の子達よりずば抜けて高いんですが、細かい制御が苦手で大雑把で・・・それで私が少し手伝ったのです。そしてこうお会いに・・・」

「ふ〜ん、やっぱりガイシとマスターは似てるんですね。どっちも大雑把で細かい制御苦手だし」

「「はぁ?」」

「いや、なんでもないですよ?」

「話を戻していいですか?」

「あ、はい〜、どーぞどーぞ」

「はぁ・・・改めてリュアさま、お会いできて光栄です。これからは私、竜子砲・ホロウが貴女の降りかかる全ての災厄を撃ち抜く弾丸となりましょう」

「あ、あの、えっと・・・よ、よろしく・・・ね?ホロウ・・・」

「はい!」



そんな光景を見ながら壱路たちはこう話していた。



「僕らの時もこんな感じだったな・・・」

「うん・・・そうだね・・・」

「そうなのか?」

「あの時はガイシに殺されかけたけど」

「マジでか?!」

「まぁ、だからこそボクはイチロを主に決めたんだよ」

「・・・・?」

「ふふっ、話を戻しますが、二つ目の目的はガイシとその主さまに会うためですよ」

「へ?なんで?」

「ガイシはなんというか・・・人の好き嫌いが激しい所があるので、ガイシが認めた貴方にどうしてもお会いしたかったのです。まぁ、もちろん可愛い弟に会いたいというのもありましたけどね?」

「ふ〜ん」

「そ、そうなんだ」

「あ!けどなんで俺も連れて来られたんだ?」

「ついでです」

「ついでだよ」

「ひどい!俺の事なんだと思ってんだよ!」

「アルシャークだと思ってる」

「くそ〜〜〜〜!」



とか言ってるアルシャークをほっといて会話が進む。



「そういえば、あの動き止めた奴。あれはどうやったの?」

「ふふっ、わたしは様々な音、つまり振動を操作し、撃ち出すことが出来るんですよ、あの時は狙いを耳に定めて怪音波を撃ち出したんですよ」

「なるほど〜、そうなんですか〜!」

「ホロウおねーちゃんすごーい!」

「あっ!そういやさ、リュアちゃんの獣耳と尻尾ってさ、いつもは隠しているの?」

「え、えっと・・・・・獣人なら気絶しない限りは・・・でも自分の意思で出せますよ」



そしてリュアは獣耳と尻尾を出した。



「かわいい〜〜〜!」

「リュアさま、やはりその本来の姿の方が美しいですよ」

「〜〜〜〜〜〜〜!」



顔を真っ赤にするリュア。



「(そ〜いえば、マスター?初めてリュアさんを見た時、固まってましたけど・・・もしかして、惚れちゃったんですか?)」

「(は・・・・・?)」

「(いや、リュアさんに一目惚れしたんじゃ)」

「(い、いやそそそそんな事にゃいろ?確かにちょっと母さんに似てて目とかスタイルとかドキッて来たけど!)」

「(・・・・・マジ惚れですね)」

「(・・・黙ってろよ)」

「(・・・・・はい)」



そんな感じでその日は騒がしくも楽しく過ごしたのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「(あ〜、確かにあの時色々あったよ。だけどその後ホロウが言ってた事が衝撃的だったな)」

「(ですね〜)」



そう言いながら壱路とフォウンは別れ際ホロウの言った事を思い返していた。



『私たち・・・・・九生竜器は試作品なのは知ってますよね?だけど本当はその内ガイシを含めた四つの子達は特別なんです。何故なら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・父様の最高傑作、四霊器はガイシ達を組み込む事で真の力を発揮するんです。その為に父様は私たちを別々に隠したんですよ・・・』



「(あの時のホロウさんの顔、なんか辛そうでしたね・・・)」

「(あぁ、これで旅する理由が二つ増えたな)」

「(え?)」

「(リュアの親父さんを探し出す事と残りの九生竜器と四霊器を探す事だ)」

「(マスターってやっぱりお人好しですね)」

「(ふっ、なんとでも言え、もう決めた事だからな)」



そんな感じでフォウンと話しているとリュア達が話しかけてきた。



「イ、イチロさん・・・またフォウンさんと話しているんですか?」

「お前が大抵黙ってる時は何か考えているかフォウンと話している時ぐらいだからな〜」

「なんでもないですよ〜!ただの世間話ですって!」

「そうだ。そういえば今日は・・・」

「あぁ、俺たちが会って一カ月くらいが過ぎた・・・そしてようやく獣共和国と人帝国の国境に近づいた」



そしてアルシャークはある方向に視線を向けた。壱路もその方向に目を向ける。



そこにそびえるのは荒々しくも威厳に満ちた壁のような山脈だった。



「あれが俺たちが獣共和国に行くために通らなければならない道・・・ドラコネスト山脈だ!」



彼らはまだ知らない。この山脈で起こる出来事が壱路の過去の傷を露わにする事を・・・。



これが壱路の異世界における旅の本当のスタートであった。

次回!


ドラコネスト山脈で壱路達を待ち受ける出会い・・・。

そして忍び寄る影!


乞うご期待!

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