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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第一章 放浪の支配者 〜 スマホと刀と唯一魔法〜
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第十七話 終わりは蒼き焔と共に

倶利伽羅くりから》・・・これは不動明王が右手に持つ三毒を破る智恵の利剣からとった名であり、刀の周りを焔が纏わりつき敵を葬る技である。



ちなみにこの《倶利伽羅》は七種類バージョンがあり、今使った《煉獄れんごく》は高温の蒼い焔をイメージする際の言葉である。



「さぁ、クライマックスだ」



そう言うと壱路は刀を水平に構え、一気に駆け出したーーー。



「うおおぉぉぉぉ!」



ズバァ!



そして斬った傷口からどんどん蒼い焔が巨人を侵食していく。



「グオウァァァァァァァァァ!」



巨人は断末魔をあげ蒼き焔と共に消滅した。



「お、終わった・・・」

「見事だ」

「ふぁ・・・・・・」

「・・・・・疲れた」



危機が去り、全員がその場で座り込んだ。



「(いや〜、即興の行き当たりばったりのチームですけど結構上手くいったじゃないですか)」

「(あぁ、後はここから脱出すれば解決だ・・・あ)」



まず最初に立ち上がったのは壱路だ。何かの異変に気付いたように立ち上がった。



「ん?どうした?」

「やば・・・技の残り火が建物に燃え移った」



見ると周囲が蒼い焔に囲まれていた。



「なんだと!じゃあさっさと逃げ・・・いでてて!」

「お、お兄ちゃん?」

「無茶した反動か・・・体いてぇ」

「このままではまずいな、けど歩くのは面倒だし・・・・・あ、そうだ!全員僕の体に掴まって!」

「な、なんでだよ?」

「脱出するから」

「「「はぁ?」」」



全員が声を揃えて、疑問の声を上げた。確かに壱路の言動は突拍子ないが全員が(何とかなりそう)と考えたのは言うまでもない。



と言うわけで。



「これでいいのか?」

「うん、てかちょっとガッシリと掴みすぎだぞ。結構痛いぞ」

「そうか、すまない」

「・・・リュ、リュア?何故そこに掴まっているんだい?」

「ふぇ?!えっと・・・その」

「今はそんな事どうでもいいだろ?」

「うっせぇ!何故リュアが腰の辺りに抱きついてるんだ!羨ましいぞ!」

「黙れよ、シスコン。じゃ行くか・・・」



とかなんとかして準備が終わり。



「・・・よっと」



天井に穴が空いた。



「さて、じゃ・・・脱出!」



次の瞬間、四人は空中にいた。



「へ?うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「・・・きゃっ!」

「こ、これは・・・」

「(あぁ、懐かしいこの感覚・・・この世界に来た時の事を思い出しますね〜)」

「(一歩間違えれば死ぬところだったけどな)」

「(しかし重力のベクトル操作をして飛ぶとは・・・マスターがその気になれば瞬間移動とかもできるんじゃないんですか?)」

「(いや、瞬間移動はまだできないな、やろうとしてもできないし、どうやらまだ制限があるらしい)」

「(そうですか〜、そういえば脱出方法やけに雑な気が)」

「(疲れたから、面倒だし)」

「(・・・・・・はぁ、あ、もうちょいで逃げた奴隷の方々と合流しますね)」

「あぁ」



少し経って見てみると魔族の団体が見えてきた。



「あ、あれは・・・!」

「おーい!おーい!」

「ふぇ・・・・」

「あれってウォーラン様じゃないか?」

「黒いお兄ちゃんだ!」

「と、飛んでる?!」



彼らは次々と口から言葉を出していく。

その間にも壱路達はそこに近づいていた。



「(それにしてもフォウン)」

「(なんですか、マスター)」

「(やっぱり、僕ここに来てよかったよ)」

「(何ですか?いきなり)」

「(まぁ、なんとなくな)」

「(え〜?本当ですかね〜?)」

「(本当だよ)」



と考えて壱路はこう思った。



(本当にこの世界は・・・面白い。それにこいつらと一緒にいれば当分は退屈しなさそうだな)



「イ、イチロさんそろそろ地面に・・・」

「あぁ」



こうして壱路の異世界最初の事件が終わった。これを皮切りにいろいろ巻き込まれていく事を壱路はまだ知らない。

次回から第二章に突入!

近い内更新するのでお楽しみに!

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