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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第一章 放浪の支配者 〜 スマホと刀と唯一魔法〜
16/79

第十六話 共闘

久しぶりに更新します。

お待たせしてすいません!

「アルシャーク!ウォーラン!」



リュアをお姫様だっこして急いで駆けつけた壱路。



「おお!イチロ!来てくれたのか!」



とウォーラン。



「ようやくきや・・・・がっ・・・・た・・・・・・・・・・なああああああああああああああああああああああああ!?」



アルシャークがまるでこの世の終わりを目撃したかのように叫んだ。



「ん?どうした?なんかあった?」

「お・・・お・・・お前〜」

「へ?」

「なんでリュアをお姫様だっこしてんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜!」

「いや、この方が早い・・・・・」

「そんな問題じゃねぇ!俺の許可もなく、勝手に!俺だってしたいのに〜〜!」

「「「・・・・・」」」



その発言に全員無言になったのは、言うまでもない。



「でどうしたんだ?さっきの爆発音は何?」

「ああ、あれはな・・・・・」



アルシャークを無視してさっきの事情を聞く。



「ふふふふふふふふふふ、はーっはははは!見つけましたよ!このクソどもが!」



悪役のような笑い声がしたので見てみるとそこには・・・・・。



「・・・・・なんだ、あれ」



それは見るからにめちゃくちゃな姿をしていた。簡単に言うなら猪と猛牛とクワガタムシと人間を粘土のように混ぜ込んで出来た怪物。それが三匹もいる。



「あれはブダノストの司会者とその部下2人が変形したなれの果てだ。奴らは魔獣化の研究もしていたみたいだからな」

「魔獣化?」

「人を魔獣にする技術だ。己がここに来た目的もこの魔獣化を奴らが研究していると知ったからだ」

「つまり、奴らは奴隷売買の組織と同時にイカれた研究機関ってことか?」

「ああ、さっきの爆発音もそれが始まった音だ」

「ふーん・・・・・」



復活したアルシャークも加え、なんとなく状況が見えてきた壱路。



「(おい、フォウン)」

「(なんですか?マスター)」

「(あのめちゃくちゃ野郎のステータスって見れるか?)」

「(無理ですね。私、ステータス見る時はその対象になる相手の名前を知っておく必要があるんです)」

「(えー・・・・・)」



思わぬフォウンの能力の制限にその一言しか言えない壱路。



「とにかくこいつらほっといたら面倒な事態になる事がよく分かった」

「その認識でいい」

「とりあえず、作戦決めて迎え撃つぞ、三人よれば文殊の知恵っていうし」

「なんだそれ?」

「簡単に言うと三人で話し合えば良い案浮かぶよって意味、僕の故郷の言い回しだ」

「ふむ、良い言葉だ」

「私も入れてください・・・」

「てなわけで、簡単に言うぞ」

「おい、話し合いは・・・」

「一人一匹撃破!ガンガンいこうぜ!で行こう。以上!」

「無視かよぉぉぉぉ!」



と言ってリュアを降ろして壱路は飛び出した。



「あの野郎、どんだけ勝手なんだよ・・・・」

「やはり、似てるな・・・」

「わ、私も・・・・・!」

「リュアはそこで隠れてろ。けどヤバくなったら()()で援護してくれ」

「・・・・・うん」

「よし!行くぞウォーランさん!」

「ふっ、心得た!」



アルシャークとウォーランも壱路の後に続く。



「いつか私も・・・・・」



リュアはその一言だけ言って後ろに下がった。自分の出来ることをする為に。



「さてと」



壱路はブダノストの成れの果て(仮にキメラと呼ぶことにする。)と向かい合っていた。



そして相棒である竜子刀・ガイシを抜く。その妖しくも美しい紫の刃にキメラも思わず後ろに下がった。



「ふーん、こんなんでも危機察知能力があるのか?」

「(そうですね〜、元が人だからじゃないですか?)」

「まぁ、人だろうがなんだろうが僕の知ったこっちゃないからね」



そして壱路は刀に魔力を纏わせ高く上げた。



「《鎌鼬》・・・」



刀を中心に風が集まっていく。そして一気にキメラに向かって振り下ろす。



「ハァッ!」



風は一閃の刃と化してキメラを一刀両断したーーーー!



「ギギャアァァァァァァァァァァ!」



キメラは断末魔をあげ倒れた。



「呆気ないな、もう終わりか」

「(そうですね〜)」



とフォウンと話しながら壱路は他の二人の戦いを見ていた。



アルシャークはあのノコギリのような剣、確かアラキリとかいう銘だったと思うがそれを上手く使ってキメラを切断している。



「うおらぁ!」



まるで丸太を切るかのようにキメラはバラバラになった。



「へぇ、最初見た時あれで物が切れるのか疑問だったがちゃんと切れてるじゃないか」

「(どうやらあの剣、刃が振動して切れ味をよくしていますね〜)」

「(え!この世界に超振動剣ヴァイブロブレードがあんの?!)」

「(そうですね、いわゆる魔法の剣、略して魔剣って奴ですね〜)」



ドッゴーン!



話していたら何処からか衝撃音が響いてきた。



「(あ、そういえば・・・)」

「(すっかり忘れてましたけど、あの『赫狼』さん、強いですね〜)」

「(ん、見てなかったけど、すごいな)」



そこを見てみるとキメラは壁に横たわって息絶えていた。腹の部分には漫画に出てくる拳の跡があった。



「(あんなのを素手で倒すとは、これは牢屋から出した甲斐があったな)」

「(はい・・・・・ん?マスター!、マスターが瞬殺した奴、まだ死んでないみたいですよ!ちなみに他の二匹も!それどころか・・・)」

「(それどころか?)」

「(合体しようとしていますね)」

「(は!?)」



よく見るとキメラの遺体が一つに集結しようとしているのだ。切られた部分からは謎の触手がウネウネと出てきて文字通り合体しようとしているようだ。



「キモいな」

「(はい)」

「おーい、イチロ〜!」



アルシャークが呼んでいた。ウォーランもいる。



「なんなんだ、ありゃ?!なんかすっげぇ事になってるぞ」

「まったくだ」

「あー、大丈夫だよ。一つにまとまったから一気にけりがつける」

「いや、そういう問題じゃなくてな・・・」

「来るぞ!」



その声に反応して散った三人。そしてさっきまで三人がいた場所に陥没していた。そこを見ると巨大な腕が振り下ろされていた。どうやら合体が完了したみたいだ。



それはもう原形もとどめていない巨人となっていた。



「うーん、でかい割には早いし面倒くさい。一気に片付けたい所だけど」

「けど、どうすんだよ?」

「うむ・・・・」



と三人で話していると。



キィーーーン



何処からか金属音のような甲高い音がした。

見ると巨人が苦しみだしている。


「おっ、リュアでかした!」

「ん?なにが起きたのだ?」

「す、少しだけですけど、動きを止めました!い、今がチャンスです!」



どうやらリュアが何かをしたらしい。疑問は後にして壱路は刀を構える。



「(マスター!)」

「あぁ、ああいう切ったら再生しちゃいそうな奴には・・・これで決める!」



そして刀に魔力を纏わせた。



「《倶利伽羅くりから煉獄れんごく》」



そしてそこには蒼き焔が纏わりついていた。

次回!


第1章、終幕。


乞うご期待!

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