表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第一章 放浪の支配者 〜 スマホと刀と唯一魔法〜
14/79

第十四話 魔との交渉

「あんたをここから出してやるよ」



突然の提案にウォーランは驚愕の表情をしていた。



「おいおい、イチロ。お前今何言った?」

「言葉通りの意味だが?」

「いや、こいつは魔族デーマだぞ!お前魔族(デーマ)が怖くないのかよ!」

「全然」

「まじかよ・・・・・」

「僕にとっては魔族デーマ獣人族ビストマ人族ヒューマも違いなんてどうでもいいんだ。種族が違うだけで、みんな一人ひとり一生懸命に生きてるのに変わりないから」



「・・・・・・はぁ」



アルシャークはため息を吐いた。そしてこう言った。



「やっぱり、お前変わっているよ」

「なんとでも言え」

「だが、凄いと思うぜ、人族ヒューマの殆どは獣人族ビストマ魔族デーマを憎み、人とは扱わないのにお前は一人の人として俺らを見ている、すげぇよ」

「わ、私もす、すごいと思います!」

「(マスター!ワタシもですよ!)」

「(うん!イチロかっこいいー!)」

「当たり前のことだと思うんだけどな」



なんか褒められた。自分にとっては普通の事を言っただけなのに。



(確かに面白い、今どきあんな考えを持つ人物が()()()以外に、しかも人族ヒューマがいるとはな・・・・捕まったのは幸運だったか?)



とウォーランは内心で微笑んでいた。



その声をフォウンが聞いていたことを彼は知らない。



「で、どうなんだ?出たいのか?」

「・・・・・何かお前らにメリットでもあるのか?」

「ある!僕の取引の流儀は、ギブ・アンド・テイクだ!こっちにもメリットがなきゃ交渉なんてしない」

「ぎ、ぎぶあんど・・・なんだそれ?」

「後で説明してやるから、黙ってろ、めんどくさい」

「って、おい!人のことを・・・」

「お、お兄ちゃん、今は静かにしていよ?」

「うん」

「(早いな)で話の続きだが、あんたに頼みたいことがある。ちなみに頼んでくれたらここにいる奴隷全員逃がしてやるよ。人種関係なくね」

「「「なっ!?」」」



壱路の常識外の発言に驚愕する三人。



「まぁ、あんたが引き受けるかどうかだけどね、はっきり言ってめんどいし、ただ働きはごめんだし」

「おい・・・・・・・・・・」

「だがあんたが引き受けるなら、ちゃんとやるよ」

「必ずか?」

「必ずだ」



壱路の提案にウォーランは戸惑っていた。しかし彼の心の中には壱路に対する不信感は存在しなかった。初めて会ったのだ。自分が忠誠を誓ったと同じ考えを持つ人物に、しかも人間に会ったのは。だからか答えは決まっていた。



「引き受けよう。で己は何をすればいい?」

「よし、分かった。説明してやる。でアルシャークとリュアにも手伝ってもらうから」

「おい!リュアを危険な目には・・・」

「大丈夫。なにも無理しろとは言わないよ、ただ一緒についてきてもらうけど」

「ふぇ?!」

「何っ!おいお前ひとつ言っておくぞ・・・リュアに手を出したらお前を殺す!」

「出すかよ。このバカが」

「バカって言うな〜〜〜!!!!!」



というわけで壱路は作戦を話し始めた。



「で、その作戦なんだけど・・・・・・・」



ーーー数十分後ーーー


「おいっ!いたのか?!」

「いえ、捜しましたがまだみつからないようです!」

「捜せ!どこかに身を潜めている筈だ。ここの入り口はここしかないんだからな」



あれからブダノストは壱路達を捜しているのだが、なかなか見つからず途方に暮れていたのだ。



「くそっ、くそくそくそ!役に立たん奴ばかりだ・・・・・・」



この司会者の男、実はブダノストの幹部の一人でありオークションの事実上のオーナーでもあった。



(奴らめ、どこに隠れているのだ?まさかもう・・・いや、ありえん!なんとしても捕らえなければ、私の首が飛ぶ。それは避けねば!)



「し、失礼します!」



部下が報告に来た。



「なんだ?」

「緊急事態です!『赫狼』が脱走しました!」

「なっ!?そんなバカな!奴は強化牢に閉じ込めた筈だ!」

「そ、それが今そこまで・・・・・ぐはっ!」



その時突然扉が破壊され、飛び散った破片が構成員の頭を直撃した。



そして破壊された扉から声がした。



「よう、この下郎が」

「ここであったがテメェの運の尽きだぜぇ!」



それはウォーランとアルシャークの姿だった。



「あなた方は・・・」

「とりあえず同胞は返してもらうぞ?」

「俺もあの時やられた借りを返すぜ!」

「くっ!全員集結しろ!目標は獣人一匹と『赫浪』だ!」



どんどんブダノストの連中が押し寄せてきた。



その様子を見てウォーランはこう心の中でつぶやいた。



(なんとか連中の目をここに集中させることができたな。・・・・・後はお前が約束を守れよ、イチロ・サガミ!)



そしてウォーランとアルシャークは連中に向かっていった。

次回!


壱路の作戦の全貌が明らかに!

今壱路の魔法がド派手に炸裂する!


乞うご期待!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ