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黎明のイチロ 〜空から落ちた支配者〜  作者: 作読双筆
第一章 放浪の支配者 〜 スマホと刀と唯一魔法〜
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第十話 潜入!

サメの獣人アルシャークと出会い、彼の妹を助ける手伝いをする事になった壱路は早速そのオークション会場に向かうことにした。



「(いや〜、マスターってクールなリアリストみたいに見えますけど本当は誰よりも優しいお人好しだったんですね〜)」

「(おい・・・・別に助けたいから助けようと思ったわけじゃない。助けた方が僕にとってメリットがデミリットを上回ると判断したからだ!)」

「(はいはい、そういう事にしておきましょう)」



フォウンのからかいを払いのけ、壱路は周囲を見る。壱路は今ズーダンという街にいた。規模はそこそこ、賑わいもそこそこな街だ。ここでブダノストは奴隷オークションを開催するらしい。何故そこまで詳しいのかというとブダノストの一人がアルシャークを痛ぶりながらベラベラ話してたからだという。その人バカだな、と壱路は思った。



「(マスター、念のためあのアルシャークって人のステータス見ときましょう)」

「(もう、お前のとんでも機能には驚かんよ・・・)」

「(いや〜、それほどでもないですよ)」

「(いいからさっさとステータス見せろ)」



フォウンを急かしステータスを開く。フォウンのステータス覗きスキルは結構便利だ。



アルシャーク・シラード


Lv 35 age:27


HP B

MP G

ATX A

DEF E

AGL B


EXP 45628

NEXT 4372


【獣化属性】 水〈水流斬・水流烈波〉


〈称号〉

孤高の鮫・さすらいの料理人・水の剣・

シスコン・親バカ


アルシャーク・シラード


Lv35 age 27 rank C


出身地 【獣共和国・レオス】


クエスト


装備

青鮫の衣 烈剣れっけん・アラキリ

調理道具 調味料



シギル 9670



能力値については特に興味ないので置いといて、【獣化属性】というのは気になった。そもそも【獣人族ビストマ】は魔法は使えないと聞いている。その代わりの力なのだろうか?

あと称号を見ているとシスコンや親バカというのもあった。壱路達の内心でのアルシャークの評価は合っていたらしい。



「おい、アルシャーク」

「なんだ?」

「二、三個質問したい事があるんだが」

「答えられる範囲なら」

「この街で本当に奴隷オークションなんてやるのか?てかどこでやるんだ?」

「それはな・・・・・・・・あそこだよ」



アルシャークの指さす先を見てみると巨大な建造物があった。形状は東京ドームに似ていているが、大きさは半分くらいだが。それになんか骨みたいなデザインになっている。



「なんだアレ?」

「ボーンドーム。あの骨みたいなのは実際に奴隷達の骨から出来ているらしい」

「えっ、マジで骨なの?」



このボーンドーム、普段は捕虜や囚人を捕らえとく刑務所のような所だが奴隷の収容所でもあるらしい。骨で東京ドームもどきを建てたこれの設計者の事など考えたくないな、と壱路は思った。



「あそこでは毎日のように奴隷オークションが開催されているらしい」

「そこにお前の妹が目玉商品ってわけか」

「・・・・・・・あぁ、ある意味でな」

「ある意味?まあどうでもいいけど、次に質問だ。どうやって助けるつもりだ?」

「本格的なオークションが始まる前に取り戻す。始まったら俺が全財産かけてあいつを買う!」

「(フォウン、中の様子分かるか?)」

「(はい、結構見張りが多いですね、これを全部突破して助け出すのは骨が折れますよ)」

「(あ〜、めんどいなそれは、仕方ない買い取るしかないな)」

「(けど買い取れる保障も・・・・・)」

「(分かってる。だからすごくシンプルに事が運ぶ作戦を考えた、それでいこう)」

「(はい)」

「おい、イチロ?」

「あぁ、悪い。最後の質問だ。あんたの妹の名前は?」

「リュア・レイジューン、可憐で慎ましく優しい名前だろう?」

「・・・・・・・はい、そうですね」



アルシャークの親バカには疲れる。



「オークション始まるまであとどれくらいだ?」

「あと、一時間半と看板に書かれてる」

「よし、僕ちょっと準備してくるから始まる半前にここで落ち合おう」

「あ、あぁ分かった」

「じゃあまた後で」



壱路は人混みの中に消えていった。



〜・・・一時間後・・・〜



「さぁ、行くぞ」

「・・・おい、幾つか聞いてもいいか?」

「ん?」

「それは・・・・・何だ?」

「それ?」



アルシャークが疑問を抱いた物。それは壱路が付けている黒いマスクだった。

口元を覆うタイプで同じく黒いロングコートとよく似合っているが、何故そんなものをしているのかわからない。



「あぁ、このマスク?ちょうど今まで溜めた討伐部位換金して戻る途中で見つけたんだ。予防の為に」

「予防?」

「プライバシーの」

「ぷ、プライバシー?」

「顔バレて厄介な事になりたくないから」

「あぁ」



アルシャークは理解した。壱路は相手に顔を見られないためにマスクを購入したのだ。用心を重ねた判断だと思う。



「まぁ、それ以外にも理由があるけど、今はいいや。あんたにも買っておいたぞ。連中に顔バレしてるし、ちょうどいいだろ」

「それは助かる。しかしこの一時間あそこに入り込もうとしたが見張りが多くて・・・」

「大丈夫だ。一応作戦は仕掛けている。そう難しくない」

「作戦?」

「でこの作戦のあんたの役割はな・・・」



〜・・・数分後・・・〜



「それだけか?」

「あぁ、ちなみに八割の確率で成功間違い無しだ」



壱路はこの一時間である仕掛けをほどこした。やれるだけの事はやった。後は実行するのみだ。



「八割なら充分だ。さあ入るぞ!」



アルシャークは気合い十分にボーンドームに入って行った。壱路はそんなアルシャークをみつめて言う。



「正直厄介な事には巻き込まれたくないんだけどなぁ〜」

「(けどマスター、アレをほっとくわけには)」

「あぁ、分かってる、ここは・・・潰そう」



壱路の瞳には瞳と同じ黒い炎が燃え盛っていた。一応壱路にも人並みの正義感はあるのだ。



そして奴隷オークションの会場、ボーンドームへ壱路は足を踏み入れた。

次回!

アルシャークの妹の安否は?!

そして壱路が仕掛けた作戦とは?!


乞うご期待!

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