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誰だこれは

先が読みやすい話ですが、許してちょんまげ

サンもまた、何も言わずについていった。

階段の下にまた階段、踊り場の下にまた階段

扉の先に扉、扉の先に部屋

見たことのないほど厚い鉄の壁の先に良く知る男は変わり果てていた。

両手を鎖に繋がれ、天井から下げられ

足には足枷を付けられ、自由とは無縁の状態だった。

服は確かにキダム、その人の物

なるべく見ないようにしていた彼の顔は、仮面をかぶっているのかどうかすらわからないくらい、皮膚と同化して、顔の一部はボコボコに変形し、傷から血を吹きだしていた。

サンが問いだす前に、ワイドマンは答えた。

「顔の傷は、自分でやったものだ・・・自我が戻った時があったのかもしれない、その時に、鎖を顔面に打ち付けていた・・・・」

サンは自分も剣士の端くれだと、思ってか思わずか

「殺すなら手っ取り早く殺そう、遺体は自分たちの国へ持ち帰らせてもらう」

そう言って、キダムの胸元に剣を投げ、刺殺した。

ワイドマンは恐れおののいている。

なんせ、10番のショットガンで傷一つつかなかった身体だ

無理も無いだろう


サンは殺した彼の顔にそっと手をやった、こめかみから、顎に、頭頂部に剣で顔の皮膚をはぎ取るように一周させ、仮面を取ろうとした

アリスは口元をハンカチで抑えながら

「ちょっと、出て、外で待っているわ」

と、部屋を後にした。

あっけなく、取れた皮膚は硬化し、元の仮面に戻った。

そのことも、充分に驚くべきことなのだが、それ以上にサンは大声をあげて驚いた。

「誰だこれは!!」

衣服はキダムと全く同じものながら、似ても似つかない顔の男が現れた。

「ワイドマン!!説明しろ!!」

サンは激情した。

ワイドマンは、半ば驚き、半ば不思議がりながら

「これがキダムの素顔じゃないのか?」

と呑気なことを言い始めた。

サンは独自の考察を、頭の中で進めていた。

「仮面をはがすことに成功した・・・つまり、仮面を何時でも着脱可能なことに気付いたんだ!!キダムは、鉄の国に来た時、それに気づき、自我が無くなる前に、他人に被せたんだ!じゃあ、本物のキダムはどこにいる?何のためにそんなことをした?」

考察を覆い隠すように不安も募る

「もう一度みんなで暮らせるのだろうか?キダムは私の兄同然の存在だ」

ワイドマンが言った

「この男の体の組織から、どこから来たものなのか、素性が解るかもしれない」

ワイドマンは小さい黒い板を耳に当て

ごちゃごちゃ、しゃべる

白い服の男たちが来て、血だるまになった偽キダムを部屋の外に担架で運びだした。

すると、外で待っていたアリスの「きゃーーーーっ」と言う叫び声が聞こえた。


1時間後


サン達は屋外の喫茶店にいた。

椅子に座り、外を見ると誰も足を止めずに歩き続ける

テーブルに並べられるのは

黒く、苦い飲み物

白く、冷たい甘い食べ物

サンにとっては見たことも無かったし、作り方もわからなかった

ワイドマンが本を取り出しながら言う

「君たちの知っている神話と、私たちの知識としての歴史、どちらも完全に同じ物だと思っているのだが、違いがあるかもしれない、それを確かめたい」

偽キダムの外伝書きたいですわ

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