表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カイブツの本  作者: 夢灯
3/3

ある夜、焚き火を囲みながら、本は聞きました。

「ねえ、どうして僕を燃やさなかったの?」


魔法使いは少し黙ってから、微笑んで言いました。

「お前さんが火をまき散らしたら、危ないからの」


その数日後、二人は山火事に遭いました。

近くには町があります。


魔法使いは水の魔法を使いますが、

火はなかなか消えません。


そのとき、本は思い出しました。

「火をまき散らすなら……水でもできるかもしれない」


本は川へ走り、迷わず飛び込みました。

魔法使いとの思い出が詰まったページは、びしょ濡れになります。


それでも本はやめませんでした。


川の水をたっぷり吸い込んだ本は、

大量の水をまき散らし、山火事を消し止めたのです。


本は重くなり、目を閉じました。

でも、後悔はありませんでした。


「魔法使いを守れてよかった……」










ふと気がつくと、

魔法使いがのぞき込んでいました。


「お前さんは無茶をするの。

でも……ありがとう」


魔法使いが乾燥の魔法をかけ、本は助かりました。


それから本は、

魔法使いの相棒として旅を続けました。


ページには、新しい思い出が増えていきます。

本はもう、さびしくありませんでした。


誰かと一緒に生きる物語そのものになったのです。

おしまいに

あなたが本を読むときは、

どうか大切にしてください。

その本は、ただの本ではなく、

「カイブツの本」かもしれません。


もし乱暴に扱ったら――

ページを埋めるために、

あなたをかじりに来るかもしれませんよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ