第7話 伝説の着ぐるみ
僕は一人でゲーセンの扉を開いた。
ガラリ……暗く湿った空気が流れ込む。そこに見知った影が……。
「おやぁ?小川くんじゃーん、元気してた~?僕たちお金なくってさ、助けてくれない?」
僕は額に脂汗を流し、一歩後ろに下がる。
ガシッ
不良の肩が僕を掴む。
ガタガタと震えだす肩。
「なぁ、優しい小川く~ん」
唇がカタカタと小刻みに震える。
怖い……だけど……だけど……ここで逃げるわけにはいかない!!
僕は今までの冒険を思いだし、勇気を出し、キッと不良を睨み付け、腕を振りほどく。
「何だ小川のくせによぉ!!」
バキッ!!
「ぐぉ!?」
不良の顔が苦痛で歪む。
ザザッ!!
複数の影が僕を囲み、近づいてくる。
「ヘヘッ、可愛がってやるよ!!」
攻略本が輝く。
「焼き尽くせ!!メギドフレイム!!」
僕はすかさず由紀のアイテムポーチからヘアスプレーを取り出し、噴射する。
ゴウッ!!
炎の勢いが増し、全体攻撃の協力呪文に早変わり!
「あつ!?アチッ!!チキショウ覚えてろよ!!」
不良たちは一目散に逃げていった。
「ふぅ……」
カラン……僕の足元に金色のメダルのような物が落ちる。
拾い上げると、
ピコン♪
勇気の証を手に入れたよ♪
ネジ曲がって見にくいステータス画面にそう書かれていた。
「由紀に何かされたの?」
!!
画面はガクガクと震えだした。
さぁ、猫の着ぐるみは何処にある?しばらく歩くと巨大なUFOキャッチャーが現れた!!
僕は早速プレイする。
あっ、惜しい!
あれ?アームはガッチリ猫の首筋を捉えているのに……。
影で店長がニヤリと笑う。
くそっ。
でも僕には攻略本がある!!本は黄金に輝き、ページを次々に捲られる。
無い……何処にも書かれてない?
バーン!!
僕が諦めようと思ったその時、扉が開かれ、ボロボロの佐藤と由紀があらわれた!!
「ちょっと変われや!!これは俺の得意分野だ……」
俺はUFOキャッチャーの前に立つと、猫のお腹をアームで優しく押してやる。
「何だと!?そんな馬鹿な?」
ゴトン!!
「佐藤くん凄い!!」
「ヘヘッ、昔妹によく取ってやってたんだ……」
ゴト……
着ぐるみから何かが落ちる。
ピコン♪
友情の証を手に入れたよ♪
早速着ぐるみ着て可愛い佐藤にゃんになろう♪
メコッ……!!
メリケンサックがステータス画面に突き刺さり、大きな風穴が空いた……。ぬいぐるみ無くてもよかったんじゃ?
「ふふ、可愛い♪」
後でこっそり由紀が着ていたらしい。




