第04話 向山 光・・・心にスイッチを
「明るくて元気だよね、光ちゃんって」
って、それは、よく言われるのよ。でも光は笑顔の裏で、思う。
"あたし、そんなに元気じゃないのに・・・"
クラスでは、"気配りできる優等生"ポジション。
でも誰にも自分の本音を打ち明けられないまま蓄積した疲れを抱え日々を生活していた。
そんなある日、朝の昇降口で見かけたのは、昨日家庭科で焦げたホットケーキに、笑っていた各藤 愛。
「各藤さん、ずっと悩んでいたのに、急に変わったね」
各藤さんが、落とした手帳を光が拾った、そこに挟まっていた一枚の紙。
【マイドント ユーミードゥ】
"思考交換のための呪文帳"
光は知らずに検索していた。
まいどん:本音をうち明けられない
求 :感情を話せる人の『心のスイッチ』
〈接続:雨観 翔也
条件 : 言葉で表現できない想いを持つもの、の感情30分貸出し。
「my don't you do me」光が呟いた。
するとまるで水の底から押し上げられるように自分の心の中に"言葉未満の思い"があふれてきた。
"ほんとはね、誰かに『疲れた』って言いたかったの"誰もいない部屋で、声に出して自分の耳に確かに届いていた。
通知が鳴る。
交換完了
あなたの変化:「本音」はちゃんと届く場所がある。
チェンジエンドレス




