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9. 中央市場

「あの、ペットは倒されるとロストするって話なんですけど、それだとペット連れで迂闊に出歩けないですよね? レキが強くなるまでは森の浅い所でモンスターを倒したり、木の実を拾ったりする感じでしょうか?」

「いや、確かに安全マージンは大切じゃが、実力以上の危険な狩場に行かないこととサモンリングに戻すタイミングをミスらなければそこまで怯える必要はない」

「サモンリングですか?」


 私は聞き覚えの無い単語に首を傾げる。チュートリアルでもそんな話は聞いていなかったのだ。

 

「なんじゃお主、サモンリングの話は冒険者組合で聞いておらぬのか?」

「あぁ……テイムのやり方だけ聞いたらすぐに森へ直行しちゃいましたから……」

「それは何とも迂闊じゃのう」


 ロコさんに呆れられながらも説明してくれた内容はこうだった。今はレキをずっと連れ歩いているけど、なんとペットはサモンリングという指輪にして持ち歩くことが出来るそうだ。

 サモンリングにしている間は満腹度が減ることはなく、更にこれは不壊属性アイテムらしくモンスターの攻撃を受けても壊れない。なので普段は指輪状態で持ち歩き実際に戦う時に出すのがセオリーで、後はペットが危ない時にサモンリング化することでペットを守ることも出来るとのこと。


「ただ、このサモンリングは万能ではない。サモンリングにするためには、ペットに触れてサモンリングに成るように思考で命令する必要があるのじゃが、その性質上戦闘中はペットからあまり離れられないのじゃよ。ほんにこの仕様は遠距離型テイマー泣かせじゃ」

「そうなんですね。レキ、ちょっと試させて……あ、出来た!」


 私の頭の上に乗っかっているレキに触れてサモンリングに成るように念じると、レキは一瞬光って青い宝石の付いた指輪に成って人差し指に装着された。宝石の色はそのペットの色になるらしい。

 ちなみにサモンリングを大量に持ち歩いてペット集団で敵を倒すことは出来ないらしく、ゲームの仕様で同時に持ち歩けるのは3つだけと決まっており、つまり連れ歩けるペットは最大3体までとのことだ。

 ただし、商業組合で土地を借りてプライベートエリアを広くすると、プライベートエリア内限定で好きなだけペットを出せるらしい。実際にロコさんはかなり広いプライベートエリアを持っていて、沢山のペットに囲まれて過ごしているそうだ。是非、いつか遊びに行きたい。


「さて、この店ではこんなところかの。次は中央市場に行くぞ」

「中央市場ですか?」

「そうじゃ、そこでは沢山のプレイヤーが露店を開いておっての、プレイヤーが手に入れたドロップ品やらお手製アイテムやらが売られとるんじゃよ」

「あれ? でも、プレイヤー同士の売買って商業組合でやるんじゃ無かったでしたっけ?」

「露店では1つの商品に付けられる値段の上限が決められておるから、高額な商品は商業組合じゃな。そうでない細々とした物は露店販売か商業組合から店舗を借りて店売りしておる」

「へぇ~、そうなんですね。ということは金欠の私は当分商業組合にお世話になることは無さそうですね」

「ま、そうなるかの。あと、手に入れたドロップ品を冒険者組合より高く買い取ってくれる所もあるから、需要のあるドロップ品はリサーチしておくと良いぞ」


 それからロコさんに道案内をしてもらって中央市場へと向かった。そして辿り着くと、そのあまりの人の多さと熱気にクラっとしてしまう。引きこもりにこの人混みは辛い。

 中央市場では沢山の人が地面に布を敷いて看板を立ててアイテムを販売していた。ポーション、武器、防具、何かよく分からないけどモンスターのドロップ品らしき足やら羽根やらを売っている人も居る。


「凄い人ですね。ここはいつもこんな感じなんですか?」

「そうじゃな、プログレス・オンラインは今一番活気のあるフルダイブゲームじゃからの。まだまだ伸びておるようじゃから、ここの景色も来年には更に凄いことになっておるかもしれんぞ?」

「うへぇ、それはちょっときついかもです」

「まぁ、慣れじゃよ慣れ。わっちも元々人混みは好かんかったが、今ではこの活気ある風景を好いておる。ナツも頻繁にここを利用することになるんじゃから、すぐ慣れるじゃろ」


 それから私達は露店を見て回り、なけなしの500Gを使って低級ポーションを2本買った。低級ポーション1本200G、所持金の残りたったの100G……クエストが私を呼んでるよ。

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