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82. 新装備の出来栄えに脳内ホルモンが……脳内ホルモンが!

 ギンジさんの熱血指導を受け始めて四日が経ち、私達は遂に黄色い体毛に包まれた上位種の猿が出てくるエリアへと突入した。

 

「こいつらは基本的に下位の猿と変わらねぇ。ただ、全体的に基礎ステータスが高くなってるんで、前のと同じ感覚で戦えば痛い目を見る事になるがな」


 ギンジさんから黄猿と戦う上での注意事項を聞き、いざ突入と気合を入れた丁度その時、私のシステムウィンドウにメール通知が届いた。通知を開けてみるとそれはルビィさんからのメールで、内容は依頼していた装備が完成したという連絡だった。


「あのぅ、ギンジさん……今日は黄猿へのアタックは無しで早めの解散とかでもいいでしょうか?」

「ん? 別に構わねぇがどうした?」

「えっと、装備の強化と新装備調達の依頼を出してたんですが、それが出来たみたいで。出来ればすぐに取りに行きたいなぁ~なんて……」


 少し後ろめたさを感じつつもギンジさんに懇願してみる。だって、7Mもした装備なのだ。出来ればすぐにでも装備してみたい!


「はっはっは。あぁ、新しい装備を手に入れた時の嬉しさは俺にも分かるぜ。そういう事なら仕方がねぇな」


 ギンジさんは笑いながら了承し、今日はこれで解散する事となった。


 ……


 …………


 ………………


「こんにちは! ルビィさん、新装備が出来たって!!」

「あはは、そんなに楽しみにして貰えてたとは嬉しいわ♪ まぁ、まずはお釣りから渡すわね」


 私は先払いしていた7Mのお釣りとして400k程受け取った。


「次にこれね。見た目は前と変わらないけど、その性能は全くの別物よ」


 渡されたのは赤いカラーコンタクトだった。効果は反応速度上昇バフだが、その効果量は3度の強化によって大幅に上昇している。

 ちなみにアイテム名は『極視のコンタクト+3』となっている。


「最後にお待ちかねの新装備よ。ダメージ加工を施した自信の一作になったわ!」


 そう言って渡されたのは薄い革製の黒い手袋だった。それは新品といった感じではなく、年期が入って使い込まれた雰囲気を持っており、とても渋くてカッコいい感じに仕上がっている。

 そして見た目だけでなく、その効果も破格だ。筋力スキルへの+効果と暗器系武器ダメージに上昇補正効果が付いていて、私の火力不足を大きく改善してくれるはずだ。

 そしてこちらの装備も最大強化済みで、名前が『殺し屋のグローブ+3』となっている。


「これ……凄くカッコいいです! ダメージ加工って聞いた時は最初どうなるかと思っていたんですが、凄く渋くてカッコよくて、ピカピカの新品状態より絶対いいですね!」

「ふふん♪ そうでしょう、そうでしょう。その味を出す為に、実験用に用意した革製手袋を10枚以上駄目にして、試行錯誤した末の力作ですからね!」


 ルビィさんは胸を張り渾身のドヤ顔をしながら自慢した。けれど、それも納得の完成度なのだから当然のことだろう。


「ルビィさん、ありがとうございます。大切に使いますね!」

「折角の新装備なんだから思いっきり使い倒しなさい。耐久度が下がったら補修も出来るし、その時は遠慮せずに持ってきてね」


 ――これは明日まで待てないね! ……よし、今から猿洞窟でひと暴れしてこよう!


 新装備を手に入れた私は居ても立っても居られなくなり、新装備の力を試す為に猿洞窟へと向かった。……そしてそのあまりの効果に脳内ホルモンが分泌を止めてくれず、その日はお母さんに怒られるまで猿を倒し続けた。

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