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61. バグモンスターの生態

「バグモンスターの脅威について説明する為にはまず、バグモンスターの生態について今運営側で分かっている事を説明しないといけないね」

「分かっている事とは何とも含みのある言い方じゃな」

「ふむ、正直に言うとだね。……分かっていない事が殆どなのさ」


 そこからファイさんの説明が始まる。

 バグモンスターはここ一月程の間に突然出現した正体不明のモンスターで、これが何処から来たのかも何故発生したのかも不明らしい。

 驚いたことに運営でもバグモンスターを消し去る方法が確立されておらず、現状ではバグモンスターを見つけ次第ゲームと切り離したエリアに隔離し凍結処理を施すことしか出来ていないとのことだ。

 バグモンスターに壊されたオブジェクトなどは、隔離エリアに運べる物は運んで修復し、運べない物はログを解析し神と協力する事で出来る限り元の状態に復元しているらしい。ただし、隔離エリアを介さない修復方法は例えるなら1時間前のオブジェクトを現在のオブジェクトに無理やり張り付けるようなやり方の為、下手をすると世界に歪が生まれて更に悪影響を及ぼす可能性があるそうだ。


「本当にもう嫌になってしまうよ。今や神の演算リソースの30%は修復したオブジェクトを世界に馴染ませるための調整に使われている。バグモンスターが暴れて更にオブジェクト破壊が進めば、いずれ神のリソースでは追いつかなくなるだろうね」


 それはつまりプログレス・オンラインの崩壊。

 私達プレイヤーはこの世界が崩壊したとしても死ぬ訳じゃない。けれど、レキやパル、ロコさんのペット達はどうなってしまうんだろう。何処かに退避させて生き延びさせる方法などはあるのだろうか。


「バグモンスターが暴れればプログレス・オンラインの存続が危うい事は分かったのじゃ。それで、運営は何か対処方法に見当は付いておらぬのか? バグモンスターのデータ破壊攻撃を防ぐ方法。バグモンスターにダメージを与える方法。もしくは一般プレイヤーでもバグモンスターを凍結・隔離する方法などじゃ」

「そうだね。まず、一般プレイヤーでもバグモンスターを凍結・隔離する件に関してだが、これは無理だ。世界への干渉権限は運営スタッフにしか与えられないルールになっている。このルールは絶対に変えられない」


 バグモンスターを凍結・隔離する為には世界への干渉権限が必要になる。けれど、この干渉権限はとても危険な物で、扱うのに細心の注意が必要であり、下手に扱えばバグモンスター以上の脅威になるらしい。


「次にデータ破壊攻撃を防ぐ方法に関してだが、現在もバグモンスターの解析を進めているが完全に防ぐ方法はまだ見つかっていない。が、一時しのぎの方法は確立出来ている」

「一時しのぎですか?」

「そう、あくまで一時しのぎだ。今回特別に作った使い捨ての専用アイテムを使えば、使ったプレイヤーデータを一時的に保護して破壊を防ぐことが出来る。けれどこれは、世界に干渉して無理やり保護している状態だから長時間の保護やアイテムの連続使用は不可能だ」


 アイテムの効果時間は1時間。アイテムの再使用には30時間のインターバルが必要らしい。更に言えば、データ保護にもインターバル中にも神の演算リソースが使われる為、1度に大勢のプレイヤーデータを保護する事は出来ないとのことだ。


「最後に、バグモンスターにダメージを与える方法だが、1つだけ判明している事がある。……それは、バグモンスターであればバグモンスターにダメージを与えられるということだ」

「……それはつまり、そういう事じゃと言いたいのかえ?」

「さぁ? それは今から調べてみないと何とも言えないな」


 そう言うと、ファイさんが鋭い視線を私に向けて来た。ロコさんはとても難しい顔をしている。

 つまりはどういう事なのか。一緒に話を聞いていたはずなのにいまいちピンと来ていない私は、とにかく何か不味い流れになっている事を感じて居心地を悪くした。


 ちなみにギンジさんは先ほどから腕を組んで目を瞑ってとても静かだ。……話の内容に興味がないと思考を止めている訳ではなく、きっと話を吟味して深く思考しているのだろう……きっと。

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