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1. 世界がガラリと色を変えた日


「奈津、ご飯が出来たから降りてらっしゃい」


 一階に居るお母さんから声が掛かる。私はこの瞬間がどうしようもなく苦痛だ。

 お母さんは何も悪くない。ただ、私が罪悪感で押しつぶされそうになってしまうだけなのだ。

 何でそんなに罪悪感を感じるのか……それは、私が不登校の引きこもりだからである。


 それは、去年の夏休み明けの出来事。

 中1の夏休み、私の家族で親友でもある犬のレキが死んでしまった。

 レキは13歳で、犬の寿命で考えると十分生きた犬だったけど、やっぱりもっとずっと一緒に居たかった。離れたくなかった。

 だから私はその日も次の日もいっぱい泣いて、涙が止まらなくて、残りの夏休み中なんのやる気も起きなかった。

 そして夏休み明け、仲の良かった友達に飼っていた犬が死んでしまった事を話していると、近くで偶々聞いていた男子から思いがけない言葉をぶつけられてしまう。


「13歳で死ぬとか早すぎだろ、お前ちゃんと世話してたのか?」


 その言葉に呼応する様に、周りのクラスメイト達も思い思いに喋りだす。


「うちの子は今年で15歳だけど全然元気よ」

「ちゃんと世話して無かったんだろ」

「えぇ、可哀そう。それって虐待じゃん!」


 笑いながら、怒りながら、興味無さそうに、クラスメイト達が好き勝手な事を言い続ける。

 私はそんなクラスメイト達を見ながら、気持ち悪くなって吐きそうになった。そのクラスメイト達が私と同じ人間には見えなくなったのだ。……だから私は、その場から逃げ出した。


 それから私は学校に行くのが嫌になって、ずっと家に引きこもってる。

 それから数日が経った頃、担任の先生が家に訪ねてきて、「みんな反省してる」とか「みんな君に謝りたがっている」とか言いながら1枚の色紙を手渡してきた。

 そこにはクラスメイト達からの寄せ書きが書き込まれていて、全員が同じような文章で謝罪の言葉が書き込まれている。私はそれを一目見て、それらが適当に書いているだけだという事が分かってしまった。

 

 ――クラスメイトも、こんな物を作らせて満足顔で渡してくる先生も大っ嫌いだ!


 それからも私は学校へ行くことはなく、時々訪ねて来る先生と会う事も無かった。

 でも、お父さんとお母さんは私の事を責めない。私が辛くなくなったら、行きたくなったら学校へ行くといいって言ってくれていて、それにとても安堵したけど、同時にどうしようもなく罪悪感と不安に押しつぶされそうになる。

 もしこのまま家から出られなくなったら、私はこれからどうなって行くのだろう……。

最初はちょっと暗い感じでの始まりですが、ゲームを始めたあたりから雰囲気が変わっていきますので是非そこまでお付き合い頂けたら幸いです^^


そして、少しでも面白いと思って頂けたらブックマークやコメント・レビュー等で応援して頂けますと、大変励みになりますので、何卒応援の程よろしくお願い致します!!

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