ゆいこのトライアングルレッスンM【ゆいこ×たくみの両片思い】〜 水族館で、恋のドラムロール!〜
『ゆいこのトライアングルレッスンM』に投稿したものです!
毎日レッスン!4日目(((o(*゜▽゜*)o)))♡
好きな奴に、ただ『好き』と伝えることが、こんなに難しいとは思わなかった。
そいつが、近くにいればいるほどに……。
「たくみも行くよー!」
「おお」
「今日行くところを発表します! ドゥルンドゥルンドゥルンドゥルンドゥルン……」
今日も、ゆいこの絶好調なドラムロールが炸裂する。これには、ひろしも、俺も思わず笑ってしまう。
俺たちは3人で水族館へと出かけた。
ゆいこがひろしと話す度、俺の心の中がざわざわする。
ゆいこは楽しそうで、そのときめいた眼差しを、俺だけに向けてはくれないものかと思ってしまう。
「水族館なんてデートスポット、なんでわざわざ3人で行くんだよ……」
「魚を学術的に学ぶためよ! えっへん! たくみ、3人じゃなかったら、わたしと一緒に行ってくれなかったでしょ?」
「はっ? いや、別にそんなわけ……、ゆいことだったら別に……」
× × ×
たくみが困った顔をした。
本当は2人で行きたかった。でも、そんなこと言えなかった。
クラゲの水槽を、たくみと2人で覗き込んだ。
わたしの指が、たくみの指に偶然触れた。
わたしは、手を退けなかった。
たくみもそのままで、何も言わなかった。
わたし達は言葉もなく、ただ目の前に広がる幻想的な光景を見つめていた。
「あー! このイルカのキーホルダー欲しいなぁ」
「そんなペアのキーホルダー、誰とつけるんだよ」
「誰と……だろ」
アクアショップではしゃぐわたしに、たくみは呆れた様子だった。
あえて、たくみの前で言ってみたけど、やっぱり脈なしか……。
水族館の帰り、たくみが何かを取り出した。
「ゆいこ、これ」
「へっ?」
「開けてみ」
「これ! イルカの……!」
「ゆいこ、欲しがってたろ?」
「たくみ……ありがとう! なら、これ、はい! 半分たくみのね!」
わたしは、ペアの片方をたくみに差し出した。
「お、俺がつけるのか? ゆいこがそうしたいなら、まぁ、別にいいけど……」
「素直じゃないなぁ。もっと喜びなさいよね?」
「なんでだよ! そもそも俺が買ったんだぞ?」
「よかったじゃん、たくみに買ってもらえて」
ひろしが、わたし達を見て笑っていた。
× × ×
ゆいこが気に入っていたイルカのペアキーホルダー。
たくみの代わりに俺が買ってやろうと思った。
でも、ゆいこは、たくみから欲しかったに違いない……。
渡せなかったペアキーホルダーを、俺は机の引き出しに、そっと仕舞い込んだ。
明日は、ゆいこ×ひろしの両片思い!
『いつまでも、大人になれないわたし達編』をお届けしますっ!!
ラストは、大人になった3人のトライアングル!!
是非最後まで、よろしくお願いしますっ╰(*´︶`*)╯♡