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第6話 金色のスライムはチートスキル持ち

「よっしゃっ!!貯まった!!」


 《DD-199ダンジョン》を出た俺は、D-GUIDEを確認してガッツポーズした。

 このダンジョンに挑戦すること12回。

 ようやくスキル習得ポイントが8000ポイントに到達し、【鑑定眼】が入手可能になったのだ。


 レベルも上がって今の俺はレベル20。

 この辺まで来ると、ダンジョン1回クリアごとに1レベルアップとはいかなくなってくる。


「えっと、スキル図鑑開いて…」


 D-GUIDEに入っているスキル図鑑から、【鑑定眼】を探す。

 検索フォームに打ち込むと、すぐに出てきた。


 ---------------------------

【鑑定眼】Lv.1

 効果:戦闘相手の持つスキルとそのレベルが分かる。

 ただし、戦闘相手のレベルが自身の2倍以上の場合はスキル・スキルのレベルともに認識出来ない。

 状態:未習得

 ---------------------------


 つまり今の俺でいうと、レベル40の相手と戦う際は相手のスキルが見えないということだ。

 Dランクダンジョンで戦う限りはレベル40などそうそう遭遇しないので、あまりデメリットとも言えない。


 俺は【鑑定眼】の文字をタップし、現れた画面で「習得」を選択した。

 スキル習得ポイントが8000消費される。


 [スキル【鑑定眼】を習得しました。]


 初めてのノーマルスキルだ。

 普通なら、攻撃スキルや防御スキルをどんどん取るため、【鑑定眼】の習得はだいぶ後になる。

 俺は【複製転写《コピー&ペースト》】のおかげでその辺のスキルが手に入ったため、いきなり8000もスキル習得ポイントを貯められたという訳だ。


「早速、使用感を確かめるか。」


 俺はもう一度《DD-199ダンジョン》に潜ろうかとしたが、さすがに連続すぎて飽きてきている。

 別のダンジョンで【鑑定眼】を試すことにした。


 そうなると、ダンジョン選びからだ。

 今は特に欲しいノーマルスキルが無いため、スキル習得ポイントを必死で貯める必要は無い。

 そう考えると、レベル上げが大切だろう。

 一般に、Cランクダンジョンに挑戦するにはレベル50が必要だと言われている。

 そう考えると、俺はまだまだだ。


「レベル上げなら、やっぱ187か。」


 シルバースライムが出るという、あの《DD-187ダンジョン》。

 あいにく、まだシルバースライムとは出会えていないが。


「まあ、近くに他に良さげなダンジョン無いし187でいいか。」


 そして俺は、大きく伸びをして《DD-187ダンジョン》の方へ歩き出した。


 そして迎えた《DD-187ダンジョン》攻略。

 ポチャンポチャンという聞き慣れた音が、今回限りはいつもと違う気がした。


「ひょっとして…。」


 ダンジョンの奥へ目を凝らすと、わずかに何かが光っている。

 光はポチャンポチャン音を立てながら近づいてきた。


「え?」


 目の前に、金色に光るゼリー状の物体が現れる。

 何だこれは。

 形や大きさは普通のスライムと変わらないのだが、金色に輝いている。


「シルバースライム…ではないよな。」


 モンスター図鑑を見てみるが、金色のスライムなど載っていない。


「何だこいつは…。」


 俺はとりあえず、早速【鑑定眼】を使ってみることにした。。

 金色だし、何か特殊なスキルでも持っていないだろうか。


「うーん。普通のスライムと変わらないな。【体当たり】に【分身】、【粘膜シールド】に【進化】…」


 ん?【進化】?

 何ですか?それ。


【鑑定眼】を使えば、スキルの詳細な情報も見られるようだ。

 俺は早速、【進化】の詳細を確認した。


 ---------------------------

【進化】Lv.1

 効果:戦闘勝利時の獲得経験値が2倍となる。

 ---------------------------


「はへ?」


 変な声が出てしまった。

 と、モンスターはこちらにのんびりと考える時間など与えてくれない。

 金色のスライムが【体当たり】を仕掛けてきた。


 俺はそれを何のスキルも使わずにかわすと、攻撃を避けながら考える。


 つまり、【進化】を持ってるスライムが戦闘で勝ったから2倍の経験値が貰えて金色のスライムになったってことか?

 いや、でも全部のスライムが【進化】を持ってるとは考えにくいしな。

 もしかして、元々【進化】を持っていたシルバースライムがさらに進化して金色になったのだろうか。


 いろいろと思考を巡らせるが、分からないものは分からない。

 とにかく、この金色スライムのスキル【進化】はレベルアップにおいてめちゃくちゃ役に立つということだけが理解出来た。

 そうなれば、すぐに【進化】をコピペさせていただくのみだ。


「【複製転写《コピー&ペースト》】ぉぉ!!」


 金色スライムの体当たりをかわし、俺は叫んだ。


「【進化】!!」


 [スキル【進化】を複製コピーしました。転写ペーストしますか?]


「Yes!!」


 [スキル【進化】を転写ペーストしました。]

 [スキル【進化】を習得しました。]


 これで、レベル上げの効率がかなり良くなるはずだ。


「【ラビットファイヤー】!!」


 金色のスライムを倒すと、俺はステータス画面を開いた。

 改めて、【進化】の詳細を確認する。


 ---------------------------

【進化】Lv.1

 効果:ダンジョン攻略報酬の獲得経験値が2倍となる。

 ---------------------------


「戦闘勝利時」から「ダンジョン攻略報酬」に変わっている。

 モンスターはどうか知らないが、人間はダンジョンをボス部屋まで攻略して初めて経験値が貰えるので、文言が書き変わったのだろう。


「これは、またしても展開がアツすぎるぞ!!」


 レベル上げの速度が2倍になる。

 これはとんでもなくすごいことだ。

 Cランクダンジョンに挑戦出来る日も、思ったより近いかもしれない。


 さらに恐ろしいのが、【進化】Lv.1で2倍ということだ。

 もしLv.2、3といけば、獲得経験値が3倍、4倍になるかもしれない。

 ゲームでいえば、もはやチーターである。


「よし。こうなったらもう周回しかないな。早くレベル50になって、もっと上のダンジョンに行ってやる!!」


 もっと上のダンジョンに行けば、もっと強いモンスターがいる。

 つまり、もっと強いスキルが手に入るのだ。


「よっしゃ行くぜ!!」


 俺は気合を入れると、ダンジョンの奥へ駆け出した。


 ---------------------------

 氏名:柏森麻央かやもり まお

 年齢:18


《STATUSES》

 レベル:20

 攻撃力:320

 防御力:320

 速 度:320

 幸 運:320

 体 力:320


《SKILLS》

 〈オリジナルスキル〉

 【複製転写コピーアンドペースト】Lv.1

 【体当たり】Lv.2

 【粘膜シールド】Lv.2

 【分身】Lv.2

 【跳躍】Lv.1

 【ジグザグジャンプ】Lv.2

 【ラビットファイヤー】Lv.2

 【催涙花粉】Lv.1

 【ステムバレット】Lv.1

 【進化】Lv.1


 〈ノーマルスキル〉

 【鑑定眼】Lv.1


 スキル習得ポイント:320

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