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レベル上げジャンキーの進化目録  作者: ナナバナナ
一章-集落統一編(ラニ村暦013年~)
7/9

【魔力視】



周りに迷惑が掛からないように開けたところに移動した後、リードの取り巻き達は俺に向かって武器を構え、取り囲むように動き始める。……鞘から抜いてはいない辺り、馬鹿ではあっても愚かでは無いらしいな。


「全く、こいつらは……兄ちゃん、悪いがこいつらの鬱憤解消に付き合ってやってくれないか?」


「俺がボコボコにされて終わるとは思わないのか?」


「今も一切緊張してないしそれは無いだろ。それに……いや、なんでもない」


「またリードさんと親しげに話しやがって!余裕でいられるのも今のうちだ、目に物見せてやる!」


長剣を持った男(取り巻きA)が斬りかかってくるが、遅い。剣術の善し悪しは俺には分からないが、そもそも素早さが足りてないのだろう。

それを避けると、それが合図だったかのように1人を除き突っ込んでくる。 残りの1人は魔法使いか?杖持ってるし。


彼らの攻撃を避けながらどう()()()無力化するか考える。とりあえず尻尾で薙ぎ払ってみるか?……取り巻きBは尻尾が掠めただけで皮鎧が裂け、風圧で吹き飛ばされ動かなくなった……死んでないよな?


_____________________

名前:キール 年齢:18

種族:人間

生命力:14/102

_____________________

やっべぇギリギリじゃねぇか……早く治療した方がいいな、これで諦めてくれればいいんだが……


「ヒッ! よ、よくもキールを! 尻尾に気を付けろ!やれぇ! 」


……これでも戦意を失わないのか。日本なら高校生くらいの年齢だと思うんだが、やっぱり温室育ちの日本人とは感覚が違うんだな……。


とりあえず物理攻撃は手加減を覚えるまではダメだな、となると魔法か?【雷鳴魔法】は殺傷力特化だし、【海王魔法】で無力化するか。

考えを纏めていると、飛びかかって来ていた連中が後退する。……どうやらブツブツ言ってた魔法使い(仮)の準備が出来たらしい。勝ちを確信したのか、取り巻き共が口々に煽り倒してくる。


「へっ、ジンのやつは火の神アグニさまの寵愛を受けてるんだ!余裕こいてたせいで足を掬われたな!」


……寵愛?加護なら分かるが……ユニークスキルか?



「<アグニ・イラプション>!」


そこそこの魔力が込められた10cm程度の火球が飛んでくる。……爆発するタイプか?

【水属性障壁】があるからこの程度ならくらっても問題ないが……制御が甘い、辺りに被害が出そうだな。


俺は飛んできた火球を無造作に掴んで()()()()()


「「はっ??」」


勝ち誇った顔をしていた取り巻き共が、一転して間抜けな顔になる。 リードが当然と言った様子で特に驚いた顔をしてないのが気になるが……まぁ後で問い詰めるか。



「今度はこっちの番だな。<フラッド> <大渦潮(メイルシュトローム)・非殺傷ver.>」


「な、なんだこれ!水が……」


「うわぁ! お、溺れる!助けてくれぇ!」


「くそっ、なんなんだよこの水! 、なんで箱みたいになってんだ! 」


「アグニさまの魔法が……」


透明な水槽に入れられたかのように、彼らの周りのみ胸の辺りまでが水に浸される。そしてその水は段々と渦を巻きはじめた。 ずっと水の中にいたから<フラッド>は想像だけで使った事無かったが、上手くいったな。三半規管はぐちゃぐちゃになるだろうが殺傷力はないし、先にそこで延びてるやつを治療してやらないとな。


「<パナケア・ウォーター><ウォッシュ>」


【生命魔法】で傷を癒し、【水魔法】で血を流す。【海王魔法】は液体と生命に特化した水属性最上位魔法であり、一部の複合系以外は高度に扱える。


皮鎧は…【海王魔法】じゃ無理だな。【時空魔法】は誤魔化し効かないから見せるつもりはないし、諦めてもらうしかないか。後は適当な所で<イマージョン>を解いて、リードを問い詰めたら終わりだな。……ん?誰か近付いて来てんな。リードか?


「……強さ自体は予想していたが、回復まで出来るとは……」


そんなことを言いながら、リードはこちらへと近付いて来る。……予想してたねぇ、俺は人の姿での武術なんて素人もいい所だし、【鑑定】でもされたか?


【ここ一週間、鑑定を受けた記録は残っていません。大鑑定の私が断言します。】


【鑑定】では無いのか。にしてもこいつ、ホント【大鑑定】に進化してから自己主張が激しくなったな。


「この程度なら目を瞑ってでも出来る。しかし予想してたとはどういう事だ?【火魔法】を握り潰した際も、アイツらとは違いさも当然って感じだったが」


「あー、その事なんだがな……俺は【魔力視】というスキルを持っていてな、高位魔法使いでは無いが、魔力が視えるんだよ」


「……ふむ?」


「……つい四日前の事だ。その日は魔物が多く、やむなく漁を中断して戻って来たんだが、海岸沿いに莫大な魔力を感じてな。高位の魔物でも現れたのかと思い、隠密が得意な奴を偵察に向かわせたんだが……そこには亜人が一人……つまりはあんたが倒れてるだけだった。」


……【海之王】を得たせいで、漏れ出る魔力が環境に影響与えまくってたから、頑張って引っ込める練習したんだがな……【魔力視】の熟練度が高いのか?……巨大な種族だったから隠密系のスキル適正無かったんだよな、【人化】した今なら取れるか……?


「なるほどな……しかし、自分で言うのもなんだが、よくそんな得体の知れない奴を村に入れたな」


「確かに最初はどうするか悩んだんだがな、見てしまった以上放っておく事も出来ん。……まぁ、打算的な面もあったけどな」


「お人好しな奴だな。まぁ、お陰で助かったんだが。打算的とは言うが、今の俺に返せるもんなぞないぞ?見ての通り無一文だからな」


「あぁ、そういうんじゃねぇよ。今この村は腕の立つ協力者を必要としてるんだ」


武力を欲しているのか?……何をやらせるつもりなんだか。


「 協力者、ねぇ。まぁ最低限の礼として話は聞くが、ご期待に添えるかは分からないぞ」


「それでいい。……とりあえず話は後で村長から聞いてくれないか? 今はそろそろアイツらを解放してやってくれ、見てるこっちまで酔いそうだ」


「……まぁ、そろそろ解除してやるか。ほらよ、絡むのはいいが、これに懲りたら実力差がハッキリした瞬間逃げに入ることだな。<コンフュージョンキュアー>」


<フラッド>を解いて取り巻き達の酔いを治す。混乱解除用の魔法だが、三半規管の異常ならちゃんと効くみたいだな。


「おぉ……気持ち悪く無くなった……」


「調子乗ってすいませんっした……」


「くっそー……俺は認めねぇぞ……」


「うぇぇ、もう水は嫌だ……」


「遊び足りねえ奴はまた今度付き合ってやるよ。それとキールって奴だが、治療はしたし生命力も全回復してるが、あの魔法を他人に使うのは初めてだ。なにか異常があったら俺を呼んでくれ」


ずっと一人暮しだったからな、気分的には一人と一声だが。


「致命傷を全回復させんのがまず異常だと思……なんでもないっす!キールの治療ありがとうございました! 」


さて、観光の続きを…って気分でも無くなったな。ガイの家に戻ってカインと遊んでやるか。


高位の魔物が放つ魔力は属性を持ち、周囲の環境をその種にとって住みやすい環境へと変えます。[シーサーペント]は高位の魔物では無いですが、主人公は【海之王】を持つので放っておくと……魚が沢山寄ってきます。


一言:戦闘描写めっちゃ難しい…ある程度書くのに慣れてきたら色々修正するかもです。

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