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レベル上げジャンキーの進化目録  作者: ナナバナナ
一章-集落統一編(ラニ村暦013年~)
6/9

ラニ村



うーん、もう朝か……?随分と長い夢を見ていた気がする……。


「父ちゃん父ちゃん!あのおっさん起きたよ!」


「なに!?本当か!今行くから待ってろ!」


朝からうるせぇなぁ……あっ?知らない声?強盗か! …………なんか前にもやった気がするなこの流れ。じゃなくて、ここどこだ?家じゃねーよな……


「あ、おっさん!ずっと3日も寝たきりだったんだから、まだ動いちゃダメだよ!」


「うぉっ! 誰だ!? ……子供か。この部屋の持ち主か? ……というか俺はまだお兄さんだ!」


……?? 何か喋れる事に物凄い違和感を感じる。しかも日本語じゃない……?何故か意味は分かるんだが。


困惑してると、奥の扉から熊のような大男が入ってくる。なんだあれ厳つすぎだろ……。


「おぉ!起きましたか、身体は大丈夫ですかな?三日も寝たきりだったのですよ」


見た目に反して凄い丁寧な物腰なんだな……。


「あ、あぁ……頭はまだハッキリしないが痛みとかは無い。……俺はどうなって何故ここにいるんだ?」


「貴方は海岸に倒れていたのですよ。漁に出た村の若い連中が魚じゃなくて人を拾って帰ってきた時は驚きましたよ」


ハハハ、と笑いながら男はそういった。……海岸?俺が住んでるのは内陸だ……海?うーん、なんか思い出せそうなんだが……


「……すまない、一旦頭を整理したいから、暫く一人にしてくれないか?」


「おぉ、それもそうですな。配慮が足りず申し訳無い……流動食を作っておきましょう。貴方のようなタイプの亜人は居ないのでお口に合うかは分かりませんが……」


「おっさん、あんま動き回っちゃダメだぞ!」


そういうと、大男は子供を連れて部屋を出ていった。……アジン?アジア人って事か?


「手は……何とも無いな。足も……問題ない。身体に痛みも無いし、服は…… 貫頭衣か?知らない服だが、彼らが着せてくれたのか。後は……尻尾もちゃんとあるな! ……なんでだよ! 」


なんで俺に尻尾が生えてるんだ??…………アジンって亜人か!……あぁそうか、これは夢か。随分とリアルな夢だな〜……ハァ。神様、どうか解決策を……?なんで俺今祈ったんだ?俺は神なんて信じてない……ん……だが??


『やっと繋がった! 君、大丈夫かい! 少し目を話した隙に起きたみたいだけど……』


あっ??頭の中にやたら神々しい声が……しかもすっごい聞き覚えがある、数十年来の友人みたいな……。


『……記憶が混濁してるのかい? ……自分に【大鑑定】と念じてみるんだ』


……あ?【大鑑定】?何言ってんだそんな異世界みたいな……今の状況が異世界そのものだったわ。一応やってみるか……。


_____________________

名前:無し 年齢:26

種族:トゥナ・ロア 状態:人化

職業:見習い魔法使いLv.1/20

Lv.1/120

生命力:1231/1231 (1231/2462)

魔力:2045/2045

攻撃力:946

防御力:1012

魔法力:1457

精神力:903

素早さ:472


スキル:【大鑑定】【思念伝達】【泥支配】【濁流】【瞬動】【身体強化(鋭-硬-軟)】【放電】【天の裁き】【領域結界】


魔法:【海王魔法】【雷鳴魔法】【時空魔法】


パッシブスキル:【捕食】【言語翻訳】【五感強化】【胃袋強化】【魔力感知】【悪食】【瞬間再生】【水属性障壁】【流体感知】【殺気察知】


エクストラスキル:【原初の系譜】〚取得経験値三倍〛〚取得熟練度三倍〛〚ステータス上昇三倍〛〚進化条件緩和〛】 【トゥナ・ロア】〚天候支配〛〚大時化〛〚大津波〛〚人化〛〚亜神領域(偽)〛】


ユニークスキル:【系統樹無視】【海之王】〚水支配〛〚海洋生物支配〛〚眷属強化〛〚魔力水属性化〛】


耐性:【水属性吸収】【雷属性吸収】【火属性脆弱】【神眼遮断】【頑健】【豪毒無効】【睡眠耐性】【汚染耐性】【飢餓耐性】【過食耐性】


加護:〘地球神の加護〙


称号:【異界渡り】【大海の覇者】【海大蛇】【大災害鰻】

_____________________


あ……?なんだこれ、ゲームのステータスみたいな……あーっ! 【人化】! 思い出したぞ……海での生活に飽きて【人化】を使って、それで……めちゃくちゃな痛みを受けて気絶したんだったな。あの後海岸に流れ着いたのか……まぁ、無事職業は手に入ったみたいだしいいか……。


……で、どうすんだこれ?思いっきり人に拾われちまったし、亜人だと思われてるじゃねーか。魔物ですって明かしたら拾ってきたやつ石投げられねーか?


『とりあえず、滞在出来るなら数日滞在したらどうだい?こっちの常識とか全く知らないだろう君』


それは神様もだろ。……まぁ、否定出来ないんだが。……とりあえず、あのおっさんに整理し終えた事を伝えに行くか


部屋を出て、物音のする方へ進んでいく。広間のような部屋に着くと、さっきの子供がいた。子供はこちらを見つけると走りよってくる。


「あ、おっさん! もう大丈夫なのか?」


「あぁ、心配掛けたみたいだな、もう大丈夫だ。後俺はおっさんじゃねぇ、俺には名前……が……?」


そういや俺名前ねーじゃん!どうすんだこれ、なんて名乗るか……いっそ神様付けてくんねーか?


『僕かい?それは構わないけど……いいんだね?その世界では一度世界に認識された名前は余程のことが無い限り変えられないけど』


あぁ?そうなのか。まぁ、神様が付けるんだったら問題ねーな、カッコイイ名前にしてくれよ?


『ふふ、任せておくれよ。……ついでだ、君も僕に名前を付けてくれないかい?僕に個体名は必要ないけど、いつまでも神様呼びもあれだろう?』


……神様に名前を?それは光栄だが、俺にネーミングセンスはないぞ。


『構わないさ、君がつけてくれる事が重要なんだ』


そうか。なら考えてやるよ。うーん……よし、こっちは決まったぞ。


『僕も決まったよ。……よし、僕からいこうか。ラメールなんてどうだい? ()、という意味があるらしい』


……海か、悪くないな。俺の方は、アステルなんでどうだ? ()、という意味だ。……数十年言葉とは無縁の生活をしてたからな。語彙が貧弱で申し訳ないんだがな……。


『アステルか。良いね、気に入ったよ!……ふふ 』


【名前:ラメールが固定されました。】




「ちょっと!おっさん、本当に大丈夫なのか?ボーッとしてるよ!」


おっと、結構経っちまったんだな、神様……いや、()()()()との会話は俺の思考速度ならほぼノータイムで出来るから、時間経過が分かりにくいんだよな。


「あぁ、すまねぇ。少しボーッとしていた。後俺にはおっさんではなくラメールという名前がある。そう呼んでくれ」


「ラメールか……分かった!僕はカイン。父ちゃんはガイって名前なんだ!」


「カイン、ガイね、いい名前じゃないか。ところでその父ちゃんを探してるんだが、どこにいるか知らないか?」


「父ちゃんならキッチンで趣味の料理を……じゃなくて、ラメールの為に流動食を作ってるよ。もうすぐここに来るはず」


あのなりで趣味が料理なのか……人は見かけによらないな。


「分かった、ありがとな。じゃあ、待たせてもらうかな」



暫く待っていると、大男(ガイ)がお椀を持って広間に入ってくる。


「おお、漂流者さん。頭の中の整理は終わったのですかな?」


「あぁ、おかげさまで。ガイさん、助かりました。それで、周辺の地理などを知りたいのですが、誰に聞けば?」


「む? ……あぁ、カインに名前を聞いたのですな。 周辺の地理は食べながらでよろしければ、私がお教えしましょう」



食事をしながら聞いた話によると、ここは39年前、海岸沿いに作られたラニ村という村であり、海の王蛇と呼ばれる超強力な魔物が危険な魔物を喰らい、逃げ出した魚が浅瀬に集まる為、漁業が盛んなんだとか。……海の王蛇ってもしかしなくても俺じゃないか??確かに端金ならぬ端経験値にもならない、魔力を殆ど感じない魚は無視してたが……俺、海から出ちゃったが大丈夫なのか?


まぁ、それはさておきラニ村の近くにはいくつもの村や集落があり、亜人排他派の村と融和派の村、亜人集落が争いあっているらしい。ラニ村は融和派寄りの中立であり、亜人を排他はしないが、争いに参加するつもりは無いようだ。ちなみにガイはこの村の村長だった。


「それではラメールさんはこの村に数日滞在する予定なのですね?」


「えぇ、行くあても無いですしね。腕には多少自信があるので、狩りくらいなら手伝えるかと」


「そうでしたか、それは頼もしい。あぁ、そうだ。滞在中、あの部屋は自由に使って頂いて構わな……構いません。客など滅多に来ませんしね」


「おぉ、それは助かります。……ところで、無理して丁寧な言葉を使わずとも構いませんよ?かくいう私も……」


どうやら俺に気を使って敬語を使ってるようなので、そういっておどけてみせる。俺も敬語はここ数十年使ってないからボロが出そうだしな。


「おっと、バレてましたか……ゴホン……なら普通に話させてもらう。そっちも楽にして構わん」


「あぁ、そうさせてもらうよ。村を見て回りたいんだが、余所者が歩き回っても大丈夫か?」


「あぁ、うちは争いを嫌った融和派の村の連中や亜人がたまに入ってくるからな。新入りが増えたくらいに思われるだけだ。若いのに絡まれる事はあるかもしれんが、腕に自信があるんだろう?」


そういうとガイはニヤリと笑った。


「……いいのか?もちろん殺しはしないが……」


「暴れ足りてないあいつらにはむしろいい薬だ、ついでに伸びた鼻をへし折ってやってくれ」


「……まだ絡まれると決まった訳じゃないだろうに。まぁ、分かったよ。そうなったら遠慮なくやらせてもらう。……じゃあ、俺は村を見てくる。ごちそーさん、美味かったぜ」


「ラメール、用事が済んだら後で遊んでくれよ!」


「おう、居候の駄賃替わりだ。いくらでも遊んでやるよ」


そういうと俺はガイの家を出た。村の家はガイの家が一番デカくてログハウスくらい、他の家は石で出来た箱を繋げたみたいな感じだな。【土魔法】で作ってるらしいが……そんなことを考えながら歩いていると、複数人がこちらに近付いてくる。


「兄ちゃん、もう動いて大丈夫なのか?三日も寝てたのに……」


「うん……? あぁ、俺を見つけてくれたって人か。確かリードだったか?おかげさまで助かったよ、ありがとう」


「そいつぁ良かった、どういたしまして」


青年(リード)にお礼を言うが、後ろの連中の機嫌が目に見えて悪くなってる気が……


「リードさん、だろ! 」


「リードさんは村一番の漁師なんだぞ!」


「調子乗りやがって、俺が立場を教えてやる!」


「俺だってリードさんと親しげに話した事ないのに!」


「俺達は強いんだ、排他派だろうとおっさんだろうと怖かねぇ!」


あー……ガイが絡まれると確信してたのはこういう事か。事前に教えてくれりゃいいのによぉ。


『元々退屈な生活に鬱憤が溜まってたんだろう。見事にガス抜きとして利用されたね……』


言うなよ、アステル……まぁいい、人の姿で戦うのは初めてだからな、実験台になってもらうとするか。


詳しく書けなかった今の主人公の見た目ですが、髪色は青みがかった銀、目は明るめの青で身長190cm程の筋肉質な男で、身体の所々に鱗が、尾てい骨の辺りから1mくらいの尾びれのついた尻尾が生えています。 その彼から見ても大男のガイ、化け物ですね…

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