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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第二章
8/43

9

 「お疲れ様です」


食堂の扉を開けて中を見回すと、国分(こくぶ)さんが「お疲れ」と返してきた。遅い時間に食事休憩が回ってきたからか、食堂には国分さん以外の人は居なかった。


 冷蔵庫から昼食を取り出し、電子レンジに入れて温める。目をテレビに向けると、南の島の火山の噴火をニュースでやっていた。


昼食を温めている間、テレビをじっと見ていると国分さんが「それ俺の田舎なんだよ」と声をかけてきた。


私が「大丈夫なんですか?」と返すと国分さんは呆れた様子で話し始めた。


「年がら年中爆発してるんだよそれ。わざわざ全国のニュースでやることじゃない。今回のはちょっと大きいけどね」


「あ、そうなんですか」


「ああ、島には人も住んでるし。地元の天気予報じゃ火山上空の風向きもやるんだ。市街地の方に風が吹くと街に灰が降ってきて大変だよ。洗濯物が灰まみれになるし、降灰で傘をさすこともある」


「大変ですね。ていうかあの地方は火山だらけですよね」


「まあ、その分温泉がいっぱいあるけどね。行ってみてよ俺の故郷。きっと色んな発見がある」


「そうですね。気が向いたら」


長い連休があったら、温泉旅行に行くのも良いかもしれない。


山を眺めながら風呂に入り、宿の飯をたらふく食べて寝る。考えるだけでも楽しくなってくる。


機会があれば、この間の逃亡のようにあてのない旅をするのも良いかもしれない。


 電子レンジから昼食を取り出し、ものの数分で平らげ、仕事に戻った。

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