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逃亡代行  作者: 横瀬 旭
第一章
5/43

6

https://note.com/yokoze_asahi/n/nd0cbe61a7011

 北の大都市を目指して列車に揺られている。次の駅で終点。というよりも、その駅から先は列車で進めない。


 約十年前の原子力事故が原因で一部区間の列車が運休になっている。


ここからは代行バスでの移動になる。原子力発電所寄りの途中の駅を飛ばし、そこから少し離れた帰還困難区域を抜ける。区域内は廃墟化した建物が多かった。窓ガラスが割れた衣料品店や家電量販店、伸びた草だらけのガソリンスタンドなど、住人がいなくなってから手がついていない、約十年前の景色がバスの車窓に流れていた。


 電車とバスを乗り継いで約三時間。着いたのは昼過ぎだった。コインロッカーの中では、なぜかボブ・ディランの『ライク・ア・ローリング・ストーン』がリピートで流れていた。


英語の詩で、言っている事も意味もよくわからないが、彼の歌声は、何故か今の私の心に痛いほど沁みた。


 駅の外に出た。本当に大きな街だ。駅舎は町役場のような見た目だが、駅前が大きすぎる。建物は高いし、道路はとても広い。駅前だけを見れば、東京よりも大きな街に見える。


 ふと、退職日がもう明日だということに気がついた。きっとここが最後の場所になるだろう。今日くらいは、ちゃんとしたベッドで寝よう。お酒もいっぱい飲もう。安いホテルを探し、部屋を取った。


 しかしその部屋は、酒を飲みすぎて悪酔いした私の病室と化した。

いわき駅から仙台駅


取材当時はまだ常磐線全線開通前


「5」は経路的にこじつけだったので削除しました。


短編で上げてる「新しい町」がそれに当たります。

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